舌苔は「ぜつたい」と読みます。舌苔とは、舌全体にうっすらと白く苔のように生えているように見えるものです。しかし当然ながらこれは苔ではありません。舌苔は、食べかすや剥離した舌の上皮細胞に雑菌が棲み付き、それが繁殖して代謝されたもので構成されます。舌苔はこすりとることができ、においをかぐと悪臭がします。
舌には中ほどから奥にかけての表面に糸状乳頭という組織があります。この糸状乳頭は大変細く密集していて絨毯のようになっています。この絨毯に食べかすなどが絡まると舌苔の原因となります。
現在歯科学会ではこの舌苔が口臭の最大原因としています。この舌苔は健康体であれば少しはあっても正常です。しかし舌が真っ白になっているような場合は明らかに異常。多すぎても異常、また全く無くても異常なのです。舌苔があるからといって気にしすぎることはかえってよくありません。
口臭の原因は舌苔のほか、口腔内の粘膜疾患、歯周病などもそうです。以前は口臭の原因といわれていた虫歯は直接の原因から外されています。また歯垢(プラーク)自体も原因とはならず、それが細菌によって分解されると口臭の原因となります。
口臭が発生しやすい環境として唾液の分泌低下もあげられます。口内は汚れやすいものですが、これを浄化するのが唾液。老人になると口が臭くなるのは唾液の分泌が少なくなるからです。唾液の分泌にはガムが効果的です。ガムは唾液分泌を活発化します。ガムの香りが口臭を打ち消すのではなく、唾液が口臭の原因を浄化するのです。
さて舌磨き。これは賛否両論なのですが、舌苔が口臭の原因になっている場合は効果があります。口臭で悩んでいる人は、歯磨きのほか、舌磨きを試されてはいかがでしょうか?専用のブラシも販売されています。
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