2008年5月6日に中国の胡錦濤(こきんとう)主席が来日しました。今日は福田総理と非公式の食事をするそうです。
胡錦濤主席:専用機で来日 7日、福田首相と首脳会談
中国の胡錦濤国家主席は6日午後、専用機で羽田空港に着いた。中国の国家元首の訪日は10年ぶり。6日夕には福田康夫首相主催の私的夕食会に出席する。7日午前に福田首相との日中首脳会談に臨む。10日まで滞在する。(毎日新聞2008年5月6日)
胡錦濤(こきんとう)氏は中華人民共和国の国家主席。国家主席というのはいわば大統領ではありますが、政治的には形式的な元首というニュアンスが強い立場です。日本で言えば天皇、イギリスで言えばエリザベス女王の立場と似ています。
しかし一党軍事政治の中国において、中国共産党中央委員会総書記でありますから、国の最高責任者でもあるわけです。序列としては主席の下に首相がいるということですが、温家宝首相と胡錦濤主席は政治的地位は同列とされているようです。
今回の来日は政策的なことよりも、国家を代表して、中国製ギョーザ中毒事件の早期解決、北京オリンピックの成功や、チベット問題への理解をお願いしに来た、という意味合いが強いでしょう。
中国の国家主席といえば、毛沢東が一番印象があるでしょう。毛沢東は1954年から1959年まで主席を務め、文字通り中国をまとめあげた偉人です。その後の主席は陰が薄く、鄧小平(とうしょうへい)氏が最高責任者として軍部を握っていた時代がありますが、鄧小平氏は国家主席ではありませんでしたが1978年から1997年までの中国で事実上の最高実力者です。
最近では1993年から2003年まで務めた江沢民(こうたくみん)氏が印象にあります。江沢民は日本に対しては一貫して強硬姿勢を貫き、靖国問題や中国侵略に対する謝罪などを強硬に要求した人でもあります。こういった強硬姿勢は中国内でも批判があり、任期満了時に主席の座を胡錦濤氏に譲ることとなります。
政権は江沢民時代より対外的には穏健ではあるものの、中国国内の武力による統治を進めている人です。特にチベット自治区は胡錦濤氏のかかわりが深く、今回の暴動もその当たり胡錦濤の憤懣が爆発したものと考えて正しいでしょう。
胡錦濤氏は2003年に就任しましたが、2013年まで任期があります。大きく膨らみつつある難題山積みの中国の難しい舵取りを任されている重要人物といえます。