グルジアから分離独立を目指す南オセチア自治州を巡り、グルジアとロシアが戦争状態になってしまいました。南オセチアはロシアへの帰属を望んでいるのですが、グルジアがこれを認めていないため、1990年から紛争となっているのです。
1991年のソ連崩壊と共に、グルジアは独立、隣の北オセチアと南オセチアは山脈で仕切られるような地形のため、北オセチアはロシアに帰属できましたが、グルジアに取り囲まれるように位置する南オセチアが、孤立してしまったような形になっています。オセチア人とすれば、北オセチアも南オセチアもロシア連邦に帰属して共に発展したいのでしょうが、それをグルジアが許さない状況となっています。
こう書くとグルジアが悪者に聞こえてきますが、そんなことはありません。ソ連崩壊後ロシアと距離を保ってきたグルジアはロシアの怖さをよく知っているのです。しかもグルジアの地形位置はロシアに南の玄関にあたる場所。とても要な位置なのです。できればロシアはグルジアも傘下に納めてロシア陣営の充実を図りたいと思っているでしょう。
さて、グルジアという国ですが、これは英表記するとGeorgia。つまりジョージアです。グルジアと呼ぶのは日本くらいなもので、国際的にはジョージアと呼ばれます。日本がジョージアと呼ばないのは、アメリカのジョージア州と間違えるからでしょうか。
グルジアという国はロシアはあまり好きではないらしく、ロシアより欧州やアメリカと仲良くする政策を取っています。これもロシアは気に入らないのです。
ロシアの南側はコーカサス地方といわれ、日本人にはあまりなじみの無い国がたくさんあります。今回の戦争にしても、民族的な事情や歴史的な事情もあり、日本人の想像を超えるものがあると思います。興味深く注視していきましょう。
◆グルジアとオセチアのまとめ
・オセチアは北と南がある
・北オセチアは「北オセチア・アラニヤ共和国」としてロシア連邦に帰属
・南オセチアもロシア連邦に帰属したいがグルジアはこれを認めていない
・北オセチアと南オセチアはカフカース山脈で隔てられてしまっている
・ロシアはカスピ海油田や黒海への利便性から南オセチアを傘下におきたい
・グルジアはアメリカと仲がよく、ロシアとは仲が悪い
・グルジアの国名はキリスト経の聖ゲオルグが由来となっている
・日本ではグルジアと呼んでいるが、国際的にはジョージアである
・キリスト教徒が多いのも西欧寄りの理由となっている
・今回の戦争状態について国連はロシアを非難している
・グルジアと日本の国交はあり、2008年で16年目になる
・2004年学校占拠事件で350人以上が死亡する事件があったのは北オセチア