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[1207]真のリサイクル

『地球に優しい』とか『環境にやさしい』などというフレーズが企業イメージを高めるために偽善的に使われているのを苦々しく思っている「たまごや」です。「いまさら何を言う…地球環境を壊してきたのはキミタチ大企業だろうが」。

さて、本コラムでは改めてリサイクルについて考えたいと思います。リサイクルというと、再利用、廃品回収、もったいない、などのキーワードが思い浮かびます。一度使ったものをほかに利用する、などのイメージです。しかしこれは「真のリサイクル」ではありません。

「真のリサイクル」は、「地」にあったものならば「地」に返す。「天」にあったものは「天」に返す。これが本当のリサイクルです。

たとえば、生ごみ。これは地に返します。そうすると微生物がこれを窒素、リン酸、カリ、炭素などに分解します。そうこれは肥料の要素ですね。生ごみは植物に還元されます。これが真のリサイクル。

子供が大きくなって不要になった絵本。これはほかの子にあげることでリサイクル?いやいやそれは真のリサイクルではありません。紙だから燃えるごみとして燃やしてしまう?紙は燃やすと二酸化炭素として天に還元、燃えカスは炭として地に還元。意外や意外。再利用ではなく燃やしてしまうのがリサイクル。そう、これは真のリサイクルだったのです。

プラスチックのおもちゃ。これをリサイクルするのはちょっと難しい。これもほかの子にあげて再利用しただけではリサイクルにはなりません。

プラスチックは化学的に分子レベルまで分解すれば、土に返すことができます。しかし今のところそれにはコストがかかります。そこで、化学的に分解しなくても、太陽の紫外線や土壌成分で分解する「生分解樹脂」が開発されています。プラスチックなのに土に埋めれば分解して土になる。これは真のリサイクル。

江戸時代、民家にはそれぞれ汲み取り式の便所がありました。これを汚猥屋(おわいや)が汲み取ります。それを百姓に売って生活の足しにする。百姓は買った糞尿を畑に撒き肥料にする。できた野菜は町民が食べる。そしてその糞尿は肥やしになる。これは究極のリサイクル。もちろん地に返す真のリサイクルです。

地面から取り出した石油を燃やして二酸化炭素を天に捨てる。これは環境破壊と思われていますが、じつは真のリサイクルなのです。天に放出された二酸化炭素はいずれ微生物や植物によって地に取り込まれます。そして地に取り込まれた炭素はまた微生物や植物によって天に放出されます。

結局のところ、人間はなにもしないでほっとけばいいのです。自然が元に戻しますから。しかしそれにかかる期間は億年単位。その間に人類は滅びてしまっているかもしれません。だから、あれこれ慌てて「人間のエゴのもと」いろいろな対策をしなければならないのです。人間は自然の脇役であって決して主役ではないですから。

え?主役ではない?では、主役は誰?

もちろん、主役は微生物。そして2番目の役者は植物でしょう。人間はこれらの主役が演じている舞台をぶち壊している厄介者に過ぎないのです。

#なんか新興宗教の訓示みたいなコラムになってしまいました。

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