前回のコラムですが、少し勘違いがありました。焦点深度としていろいろ述べましたが、じつは「焦点深度」ではなく「焦点距離」の話でした。ホームページのほうは訂正しておりますが、メルマガのほうは訂正が効きませんので、「焦点深度」を「焦点距離」と読み直していただければと思います。
ということで、今回は前回ずっこけた焦点深度の話です。デジカメ写真を上手に撮る場合の知識として役立てていただければと思います。
カメラなどレンズを通して入ってきた光が像を結ぶ点を焦点といいます。焦点は1点に集約され、その像は当然ピントが合っています。しかし実際には、その一点から少し前後にずらしても、像はそれほどぶれず、未だ焦点があっているように鮮明に見えます。
このように、焦点をずらしても像にピントが合っているように見える範囲を焦点深度といいます。カメラの場合はレンズの絞りを絞ると、焦点深度は深くなります。逆に絞りを開けると、焦点深度は浅くなり像がぼやけやすくなります。
つまり、絞りは絞った方が許容範囲が大きくピントが合いやすく鮮明な写真が取れるということになります。ただし手振れが無ければ、です。実際に写真を撮るとき、明るいときは絞りを絞ってもシャッタースピードが稼げるので、焦点深度も深く、かつぶれの無い写真が撮れます。
しかし暗い場所では、絞りを絞るとさらに暗くなってしまい、反面シャッタースピードも遅くしなければなりません。絞りを絞らないとピントが甘くなり、絞りを絞ると、今度は手振れが起こり、やはり写真がぶれる結果となってしまうのです。暗い場所での撮影は難しいのですが、こういうときは絞り優先でピントを合わせ、三脚やセルフタイマーを使うなどして手振れを防ぐ方法がうまく写真を撮ることができます。
ただし、絞り優先、あるいはシャッタースピード優先にできるマニュアル機能があるカメラに限ります。もちろん一眼レフカメラはこれができます。