口蹄疫の牛が宮崎県で発見され、すでに8万頭もの牛が殺処分となって問題ととなっています。
口蹄疫は「こうていえき」と読みます。口蹄疫は「口蹄疫ウイルス」によって引き起こされる伝染性の病気で、口と蹄(ひづめ)に潰瘍ができ、発熱、そしてかなり痛いのでしょうか食欲減退も起こります。罹患(りかん)した動物は生産性の低下、子牛の場合は高い死亡率、しかもこの病気はかなり伝染性が高いため、法律で家畜の移動が禁止され、また罹患した家畜は治療することなく殺処分となるため、生産者にとっては経済的にも怖い病気となっています。
牛や豚などの動物を偶蹄目(ぐうていもく)といいます。口蹄疫はこの偶蹄目の動物のみ罹患します。偶蹄とはひづめが二つに割れている動物で、牛、水牛、めん羊、山羊、豚、鹿、イノシシなどの動物がいます。同じ蹄を持つ馬は蹄が割れていませんのでこれを奇蹄目(きていもく)といい、口蹄疫は馬には感染しません。
口と足が痛い病気は人間がかかる手足口病にも似ていますが、全くの別物とのこと。口蹄疫はその伝染性のみがが問題となっており、人間には感染しませんし、罹患した牛の肉を食べても人間に害が出ることはありません。宮崎牛はブランド牛としても有名ですが、感染した牛の肉が出回ることはありませんので、安心して食べてほしいと思います。
口蹄疫は家畜伝染病予防法に定められている伝染病で他には狂犬病、ブルセラ病、伝達性海綿状脳症(BSE=いわゆる狂牛病)などがあります。
ところで「伝染病」ということば、昔懐かしい響きがありますように、現代医学では以前言われていたヒトの伝染病は感染症と言い換えられています。現在も伝染病という表現を使うのは、上記の家畜伝染病予防法が残っているからであり、その名残のとおり、伝染病といえば家畜に限定されているのが現状です。