金賢姫北朝鮮元工作員が軽井沢の鳩山家別荘に滞在しているということで、軽井沢は大騒ぎだそうです。
(注:2010年7月21日より「金賢姫元死刑囚」から「金賢姫北朝鮮元工作員」と呼び名が変わっています。)
金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員(48)が20日、鳩山由起夫・前首相の別荘に滞在するため、軽井沢町入りした。金元工作員を乗せた車は同日午前7時20分頃、100人近い報道陣が待ちかまえる中、鳩山前首相の別荘に到着。中が見えないようにカーテンをかけた車は、うっそうと木が茂る別荘の敷地に入っていった。(2010年7月21日 読売新聞)
金賢姫といえば今から23年前の1987年11月29日、インド洋ベンガル湾上空で消息を絶った大韓航空機KL858便を爆破した実行犯。当時金賢姫は北朝鮮の工作員として訓練されており、韓国のソウルオリンピックの開催を阻止するために金正日の命令によりテロを行ったという事件です。
KAL857便はバグダッド発アブダビ経由ソウル行き。トランジスタラジオを改造した時限爆弾と酒瓶につめた液体爆弾を機内に残し、自分らはアブダビで飛行機を降りてしまいました。
機内に残された、爆弾はベンガル湾上空で爆発、登場していた乗客と乗務員合わせて115人が帰らぬ人となった事件です。
捜査はすぐ行われ、アブダビで降りた日本人「蜂谷真由美」と「蜂谷真一」が怪しいとされてバーレーンに戻ったところを逮捕。この蜂谷真由美が北朝鮮の工作員金賢姫であることが判明したのでした。
バーレーンでは蜂谷真一こと金勝一は服毒自殺。金賢姫も服毒しましたが、バーレーン警察に阻止され、命を取り留めたのです。
その後、逮捕され韓国に運ばれる途中のマスクをしてタラップを降りる映像はテレビでも放映されみなさんも記憶にあることでしょう。あのマスクは自殺防止のためゴム管を咥えて舌を噛み切らないように固定するためのものでした。
その後も金賢姫はその美貌と北朝鮮での育ちのよさ、また韓国で死刑囚となりながらも、特赦で刑を免れているところに特殊性を感じます。
また爆破テロの実行犯として日本人に成りすますため北朝鮮で日本人教育を受けており、その教師を勤めたのが拉致された日本人の「李恩恵=田口八重子」とみられており、横田恵さんとも面識があるところも、北朝鮮が狭い国なのか、金賢姫が情報通なのかよくわかりませんが、日本としては話を聞きたい人物ナンバーワンであることは確かです。
今回の訪日も、頭の固い官僚と閣僚がよく許可したと思いますが、滞在場所が民主党前総理の鳩山家。また、それを許可した法務大臣も民主党でありますから人気凋落の民主党宣伝の意味もあるのでしょう。
そして、何より重要なことは、今回の訪日が拉致被害の解決に向けて金賢姫が何を語ってくれるのか?です。重要な情報を知っているのではないかとされますが、しかし死刑を恩赦される条件として「すべてを語っている」はずですから何も出てくるわけがありません。拉致問題は時間が経ち過ぎていますし、相手は犯罪国家北朝鮮です。問題が大きく解決することは、なかなか難しそうです。