加齢と共に眼の病気が出てきます。一番ポピュラーなのが白内障。老人性眼病の典型的なものです。ほかにも、蚊が常に視野に飛んでいる飛蚊症(ひぶんしょう)、視野の端に光が走る光視症(こうししょう)なども、加齢に伴って出てくる病気です。これらは病気といっても加齢によってほぼ100%でてくる病気なので、はたして病気といっていいものなのか?そして、これらを治療するのに保険が使えますが、すべての老人に対してですから保険の原資も大変です。
さて、今回の黄班変性症は、じつは私が人間ドックで見つかり、精密検査を推奨された病気です。
黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)は、目の網膜の中心部にある「黄斑」部分が老化などの理由によりも血管が盛り上がって変性する病気です。網膜の一番大事な部分が変性するので物がゆがんで見えたり、悪化すると失明にいたるという怖い病気です。
原因がわかっておらず、したがって治療法もなく、一応「難病」指定です。しかも進行すると失明の恐れもある。アメリカを始め日本にも広がっている病気だとか。ドックの最終問診ではすでに紹介状ができており、すぐにでも精密検査をという言葉に多少びびりながらも、すぐに筑波大付属病院に連絡をし予約をとりました。
最近は紹介状がないと大病院は診察してくれません。また、眼の治療は最先端技術を使う部分であり、こういった治療には、大病院がいいでしょう。検査は、眼の動向を開くための目薬を入れるところから始まります。20分ほどでなんとなく景色がまぶしくなり、いよいよ検査です。
眼科の待合室は老人で溢れかえっていましたが、これを対応する医者の数も6人、ブースも6個あってベルトコンベアに乗るように検査が進んでいきます。検査は視力検査から始まり、眼底検査などほとんど機械が自動で行いますが、怪しい部分の再確認は医師が肉眼で確認しながら行います。
眼底の写真を仔細に観察し、確かに黄班部分に白い影があるけれど、見え方に異常があるわけではなく、今回は様子見ということになりました。
ただし、この白い影は人間ドックで必ず映るだろうし、それを見て医師は必ず検査を受けるように進めるでしょうとのこと。年一回のドックの際にそのつど、検査を受ければいいのではないでしょうかとアドバイスをいただきました。
ちなみに、飛蚊症や光視症は危険はないのかとたずねたところ、それは加齢によるものだから心配ないとのことでした。ネットで検索すると黄班変性症とセットで飛蚊症、光視症も危険であるような記述がありますが、そんなことはないようです。
ただし、黄班変性症は中心にゆがみが出たら危険なので、それは注意するようにと念を押されました。眼は老化を一番反映する器官なので。眼に異常を感じたら、要チェックです。