繊維(せんい)は、元々は「糸のように細く尖ったもの」という意味です。人類の歴史の上で衣類や紙は重要なものです。その衣類や紙を作るうえで素材となるものが繊維。動物の毛や繭の糸、綿花、木材パルプなどが重要な繊維資源となっていました。
化学工業が盛んになるとこの繊維を工場で化学的に作るようになります。天然資源ではなく石油を使って合成する、これを合成繊維といいます。ナイロン、アクリル、ポリエステルなどが代表的な合成繊維です。
繊維という字は糸偏でちょっと難しいため、私も子供の頃よく練習したものです。そもそも糸偏の字は画数が多いので複雑な漢字が多い。「繊維」を「線維」と書こうものならすぐさま国語の先生に×をくらったものです。
ところが、最近では「線維」も○になっています。
繊維が自然界に有る外的な細いものであるのに対し、線維は医学用語で、体内の細い組織を現す際に使われます。意味は繊維と同じ細い組織という意味です。英語表記をしてもほとんど同じ意味。
繊維=fiber
線維=fibril
この線維は医学分野及び生物学分野で使われる言葉で、2000年頃には正式な表記として認められているようです。しかしそれ以外の分野や一般には繊維の方が正しいとされています。
漢字の書き取りの際には繊維・線維ともに○となりますので、国語の先生も気をつけないといけませんね。
#「繊」という字は中学校で習う漢字のようです。