よく前世のことを憶えているとか言う人がいます。
しかし「そんなの嘘だ」と一蹴されてしまうのが普通です。
しかし、私たちの経験はDNAの配列を編集し、次世代に受け継がれることがわかってきました。
記憶にはないけれど、DNAには刻まれているのですね。
今までは、突然変異によって（偶然）DNAの配列が変化し、それが進化の元となっているとされました。偶然なので意図のしようがない。
ところが研究によれば、経験によってDNA配列が意図的に変わる。
これは記憶が子孫に伝わっていくといってもいいでしょう。
偶然に代わるのを待つより経験則によって素早く対応する。
進化は意外とスピード感をもって行われていたのですね。
最近市街地に出てきて大騒ぎを醸し出すクマ。
生存の場を脅かされ、食料を求めて住宅地などに出没します。
しかし、彼らの表情を見ると、凶暴な感じはなく、むしろ穏やか。
人を襲うクマ、そしてそれを退治する人間。
人間と熊の歴史は何万年にも遡ると思います。
その歴史では熾烈な戦いがあったでしょう。
その戦いの結果、人を襲う凶暴な熊のDNAは淘汰され、人間を襲わない、穏やか、あるいは賢いクマが生き残ってきた。
環境に適応し、子孫を残すために。
クマやイノシシは、生存権を賭けて今なお人間と熾烈な戦いをしているのですが、すでに戦いを終えて人間とともに暮らすことを選んだ生物もいます。
犬や猫がそれです。
クマの気持ちはわかりませんが、おそらく彼らは人間と仲良く暮らす犬や猫を見てうらやましく思っているでしょう。
そう。クマも人間とともに暮らしたいのですよ。
先日、札幌市内に出没したヒグマ。
人に危害を及ぼすとして射殺されてしまいましたが、彼らの犠牲を礎として、クマが人間とともに暮らす社会が出来上がることを切望いたします。
たぶんそうなるには数千年かかると思いますが。
【出典】
NHKスペシャル「“ＤＮＡスイッチ”が 運命を変える」
親が「経験によって獲得した性質や体質」の一部が、次の世代に遺伝する可能性が明らかになってきている。
調査によると、親の「記憶」は世代を超えて継承されている
Phys.org