お産にまつわる迷信です。昔はお産は一大事で、ややもすると母子ともに命を落とすことも多かった。そこで色々な迷信が出てきます。学術的には根拠が無いものがほとんどですが、そこに心情を読み取ることができます。
・母胎の左側で激しく動く子は男の子である。
・妊婦の顔がきつくなると男児である。
・かまどを新築してはいけない。
・土瓶の口に直接口をつけて水を飲むと兎口(ミツクチ)の子が産まれる。
・箒(ほうき)をまたぐと難産になる。
・妊婦は火事を見てはいけない。火事を見ると顔に痣のある子が生れる。
・便所を掃除するとよい。
・双子が両方とも無事に育つと家が繁昌する。
・同じ棟に相ばらみがあるとどちらかが負けるからよそにやる。
相ばらみというのは、母親、姉妹が同時に妊娠していること。家畜の妊娠も含めるようで、その場合は別の棟に移すといいます。
土瓶から直接水を飲むというのは、単に行儀の問題だと思います。
妊産婦が火事を見ると顔に痣のある子が生れるといわれますが、そんなことは無いですね。ただ、人間は火事(火)を見ると興奮するので、それが妊産婦には悪影響だ、というような意味合いだと思います。