今から約900年前の平安時代。数十日間、昼間の明るくなるほどの輝く天体がおうし座に現れました。これは、巨大な星が大爆発をおこしたもので、この爆発の跡は現在、「かに星雲」とよばれています。この「かに星雲」は巨大な星が超新星爆発をおこした痕跡と考えられています。
鎌倉時代の歌人「藤原定家(1162-1241)」は日記「明月記」の中で天文に関することを多く書いており、その中に1054年に起きた客星のことが言い伝えとして書かれています。この年代を考察すると丁度「かに星雲」の爆発の時期と重なり、この記述は爆発の証拠として世界的に有名なものとなりました。
超新星は新しい星と書きますが、じつは星の最期です。新しい星が生まれるくらい輝くから超新星と名づけられたのです。超新星爆発によって生じるそのエネルギーは宇宙空間に発散され、その影響で新しい星が生まれる力となります。
星の寿命は、太陽の3倍くらいまでの星は、燃え尽きるまでに100億年かかります。わが太陽はちょうど半分の50億年経っています。寿命を迎える頃になると、段々太陽は膨らんできて赤くなり50倍くらいに大きくなります。(赤色巨星)その後ゆっくりと小さくなり、白い星(白色矮星)になってその一生を終えます。
もっと大きい恒星は、その質量のが大きいた燃焼エネルギーが大きく、約3000万年で燃え尽きてしまいます。そして最後には超新星爆発を起こし、残骸としてパルサーと呼ばれる中性子星やブラックホールが生まれるのではないかとされています。
銀河の中心には巨大なブラックホールが確認されていますが、この銀河は大きな超新星爆発でできたと考えることもできるのです。なんか、歴史は繰り返しているのですね。
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