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[027]北方領土

北方領土というのは、北海道の北東方に位置する択捉(えとろふ)、国後(くなしり)色丹(しこたん)、および歯舞(はぼまい)諸島のことをいいます。

これらの島々は、第2次世界大戦終戦宣言であるポツダム宣言受諾後に、旧ソ連によって軍事占領され現在に至っています。いってみればこの時、もしかしたら北海道や東北も占領され、旧ドイツのように、共産主義の「東日本」、資本主義の「西ニッポン」なんてことになったかもしれません。実質これを阻止したのは、アメリカのマッカーサー元帥です。現在問題になっている沖縄の基地もこの時一役かったといえます。敗戦国の領土をドサクサにまぎれて自国の領土にしようとするのは歴史的にみて珍しいことではありません。

その後、ソ連はアメリカの軍事撤退を条件に、歯舞諸島、色丹の返還を通告してきましたが、日本は戦争放棄の立場をとっている以上、アメリカとの安全保障条約(あんぽ)を破棄するわけにはいきません。以来、交渉は進まず、ソ連は「領土問題は存在せず」の立場をとってきました。

ロシアになってから、北方領土については柔軟になってきたといえます。以前は軍事的な意味合いでの北方領土でしたが、これからは経済的な意味合いで北方領土問題が展開されるのではないでしょうか。ロシアに対する経済的援助や漁業権問題、要するに外交によっては比較的簡単に返還されるかもしれません。北朝鮮問題に比べたら、話が通じるだけマシと言えます。

心情としては、やはり日本古来の領土と言うことで、返還はされるべきと思います。しかし、領土と言うのは侵略と殺戮の歴史ですから、じゃあ誰が日本の古来の領土と決めたんだ?という問題に発展します。要は、先住民を尊重し、その土地を有効利用することが大事なんじゃないでしょうかね?

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