「えと」と打ち込んで「干支」と変換された。でもこれってほんとは間違い。
「干支」はあくまでも「かんし」である。干は十干(じっかん)のことで、支は十二支(じゅうにし)のことだ。この「干」と「支」の組み合わせを「干支(かんし)」という。(えと)ではない。今年の干支(かんし)は己卯(つちのと う)で、来年2000年の干支は庚辰(かのえ たつ)である。
「えと」とはほんとは「兄と弟」の事だ。干支をならべてみよう。
昭和49年甲寅(きのえ とら)
昭和50年乙卯(きのと う)
昭和51年丙辰(ひのえ たつ)
昭和52年丁巳(ひのと み)
昭和53年戊午(つちのえ うま)
昭和54年己未(つちのと ひつじ)
昭和55年庚申(かのえ さる)
昭和56年辛酉(かのと とり)
昭和57年壬戌(みずのえ いぬ)
昭和58年癸亥(みずのと い)
このように「きのえ」「きのと」「ひのえ」「ひのと」と順番に並ぶ。先に来る「え」は兄の意味。あとの「と」は弟だ。「きのえ」は「木の兄」、「きのと」は「木の弟」と言う意味。この兄「え」と弟「と」を「えと」という。この考えは陰陽五行から来ている。
ちなみに「木の兄」とはケヤキのようなしっかりとした硬い巨木(剛)をいう。「木の弟」とは同じ植物でも、野に生える草(柔)のようなものを意味する。
本当の語源は以上のとおりだが、世間では来年の「えと」といえば「辰」だから、まぁそういうことにしておこう。