特定非営利活動法人(NPO)「富士山クラブ」は2月23日を「フジサン(富士山)の日」として美しい富士山を再生させる運動を展開中。(毎日2000/2/18)
普通、電車でいえば進行方向に向かった席でしかも海側が上座となる。お客や上司、目上尊上には上座に座ってもらうわけだ。しかし東海道の場合は逆で富士山が見える方を上座とする。また表富士、裏富士ということがある。これは京都から見たほうを表富士(静岡県側)といい、東京から見える方を裏富士(神奈川県側)という。
富士山ほど遠くから見て美しい山はない。ヒマラヤやアルプスもすばらしいがそれは景観としてすばらしいのであって、単独の山でこれだけ美しい山は世界中探しても無いのではないか、と思う。孤高な独峰「富士」は万葉の時代から「不二」とか「不尽」と書き、二つとない、尽くしきれない山といわれ信仰を集めてきた。
日本全国には富士の名を借りた山がたくさんある。北海道で蝦夷富士といえば「羊蹄山(1898m)。 岩手県の南部富士「岩手山(2038m)」。長野県の信濃富士は「黒姫山(2053m)。八丈島にも八丈富士 「西山(854m)」がある。また関西では和歌山県の紀州富士「竜門山(757m)、四国では愛媛県の伊予富士「伊予富士(1756m)」。九州の鹿児島県には薩摩富士「開聞岳(922m)がある。
地名にも多く使われている。全国に数え切れないほどある富士見台、富士見坂の類は富士山が良く見えたからその名がついたに違いない。朝起きては富士山を見、仕事や学校帰りには富士山が真っ先に出迎えてくれる。いつも一緒の富士山は泣き笑いと共に生活に密着していたに違いない。
その富士山も今は登山客や観光客に荒らされ、遠景ほど美しくない山に変貌してしまった。その富士山を昔からのあるべき姿に戻そうとする動き、ぜひとも応援していきたいと思う。
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