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[177a]WILLブランド

街で妙な格好のクルマに遭遇した。スリッパみたいな変なクルマだ。これはトヨタの新型車「WILL vi」というクルマらしい。

「WILL」とは異業種間の合同プロジェクトで生まれた新しいブランドである。業界トップ数社が共同で統一ブランド「WILL(ウイル)」を開発し、1999年から順次新商品を発売する計画を進めているもので、若者や女性向け新商品を同一ブランドで展開し、需要の喚起につなげるのが狙い。異業種の有力企業が統一ブランドを打ち出すのは日本では極めて異例で、新たなマーケティング戦略として注目されている。新ブランドの名称は、20~30代の若者や女性を意識し、英語で強い意志や未来を意味する「WILL」が採用された。

現在プロジェクトに参加している企業は、トヨタ自動車、ナショナルやパナソニックのほか、アサヒビール、花王、近畿日本ツーリスト、コクヨの7社。各社の商品もなかなか面白いものがある。液晶一体型のパナソニックのWILL PC、ノスタルジックな冷蔵庫「FRIDGE」を押出しているナショナル。シンプルだけど持っていることに喜びを感じるコクヨの「WILLステーショナリー」、アサヒの「WILLスムーズビア」、旅の本質をしっかり押さえた近畿日本ツーリストの「WILL TOUR」など強力な商品が揃っている。

これまで日本の企業は各社独自にブランドを開発、それぞれ広告宣伝活動をすることで消費者に商品の浸透と差別化を図ってきた。しかし最近は深刻な不況の影響で、各社とも広告宣伝費を削減せざるをえない状況だ。有力各社が統一ブランドをアピールすることで、より少ないコストで知名度アップを期待している。つまり「WILLならおしゃれでしかも安心」というブランド力を期待するものだ。

各社のWILL商品に共通するコンセプトは「遊びゴコロと本物感」。斬新なデザインを採用しながらも奇をてらったものではなく、基本的な性能品質はキチンと抑えてあるものだ。流行の生活改善グッズと呼べるものも多い。

とはいうものの、街で見かけたトヨタの「WILL vi」は奇をてらったものとしか映らなかったが・・・。読者諸君も、街でWILL商品を見かけたらちょっとチェックしてみてはいかがだろうか?

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