ライカはドイツの名門ライツ社のカメラの名前である。カメラにはファインダーという、視野を決定する装置があるが、ライカはレンジファインダーという方式を採り1950年には世界最高といえるほどのカメラを生産していた。35mm版というカメラの原型を作った立役者であり、今で言うクラシックカメラの原型ともいえるカメラだ。
レンジファインダーはピントを合わせる距離差をレンジ(巾)で取得する方式。つまり対物側は2つの開口部がある。コンパクトながらシャープなピントを得られるのが特徴。ライカは1954年には更に優れたM3という機種を世に送り出し、ライバル社の息の根を止めた。
日本のメーカーも含め、ライバル他社はライカ型レンジファインダーカメラの開発をあきらめて、一眼レフの開発に取り掛かることを余儀なくされた。これが後になって日本が一眼レフ王国になるきっかけとなったことは誰が予想できただろうか。運命とは皮肉なもので、他の追従を許さなかったライカは?といえば一眼レフの開発に遅れ、その後経営難に陥る。
レンジファインダーカメラと一眼レフでは性能的には一眼レフのほうが圧倒的にいい。しかしライカは今でも捨てがたい魅力を持っている。最近のクラシックカメラブームを思うとき、このライカが根底にあることを思い出そう。