中国産の食品(例:小麦グルテン)や製品(機関車トーマスの塗料)に有害物質が含まれていたり、ここのところ中国製品への警戒感が強まっています。その反面、信頼性でメイドインジャパンが見直されるなど、日本国内では品質回帰への動きがあります。中国熱の反動といえるでしょう。
さて、皆さんは中国国内のホームページへアクセスしたことがあるでしょうか?そして感じることは、なかなか画面が開かずやたら遅い、あるいはアクセスできない、ということではないでしょうか?
中国では広大な国土をくまなくカバーというわけではありませんが、主要都市ではIT網は進んでおり、少なくともADSL程度は完備しています。しかしこの遅さは尋常ではありません。そしてこの遅さは、国際回線を使用する場合にのみ起こるのです。
中国ではホームページを開設するのに、政府の許可が必要です。この仕組みは「ICP登録システム」といい、すべてのホームページはこのシステムに登録しなければなりません。すでに登録申請を行ったホームページは160万件を超え、さらに一日約2000件以上の新規登録があります。
ホームページの登録情報には、登録者名、IPアドレス、ドメイン名、サーバー設置場所など細かく規定されており、これをすべて政府がリアルタイムに監視測定しています。もちろん「ブラックリスト」機能も併せ持ち、政府批判、猥褻、悪質サイトの運営者はリスト化され、厳しい審査対象となるのです。
国際回線も当然見張られているのでしょう。日本からの中国のホームページへのアクセス、そしてその逆も当然監視されています。その結果、好ましくないとされれば、アクセス拒否されるわけです。中国国外で中国を批判しているサイトへのアクセス拒否は当然考えられます。
これが中国国内ではそういうことは無いようです。つまり中国内でアクセスする分にはストレス無く閲覧できます。中国の企業人はこれを知っているのかどうかはわかりませんが、ビジネスを広げるためせっかく日本語のページを作っても、閲覧できるのは中国に居る日本人だけ。日本からのアクセスは拒否されるか、重たい思いをしなければなりません。
もし、中国人が日本人を相手にホームページを展開したいのなら、サーバーは日本国内に設置する必要があります。逆に、日本人が中国でビジネスを展開したいのなら、ホームページを置くサーバーは中国国内におく必要があります。
しかし、こういった当局の監視は、言論の自由を奪うものです。たとえばあなたがブログを開設したいと思ったとき、日本政府の許可が要るとしたら?そして安倍首相の悪口をそのブログに書いて、当局から指導されたとしたら、恐ろしいと思うのではないでしょうか?
成長目覚しく、世界中から注目を浴びている中国ですが、中国は自由という面ではまだまだ怖い国なのです。とにかく中国は共産主義であり、独裁国家であるということを忘れてはなりません。