成人の日といえば元々は1月15日ですが、平成12年(2000年)からは第2月曜日が成人の日になりました。同じく体育の日も10月10日でしたが、これも第2月曜日になりました。したがって日曜を含めれば連休になります。土曜日も休みの人は3連休になります。この主旨は、なるべく休みは続けてとってゆとりある生活を目指そうというものです。悪名高きゆとり教育の一環でしょうか。
月曜日を休日にするというのはハッピーマンデー制度を導入したからです。国民の祝日の一部を従来の日から月曜日に移動させる制度です。この制度によって移動した国民の休日は、成人の日、体育の日のほか、海の日(第3月曜日)敬老の日(第3月曜日)があります。
10月10日は東京オリンピックの開催日を記念して体育の日としました。1964年秋、はじめてのオリンピックに日本中がわいていました。学校の教室にテレビが設置されたのもオリンピックを見るためです。道路もたくさん作られました。現在の首都高速道路はオリンピックの為に作られたようなものです。それだけに思い入れの深い10月10日を体育の日としたわけです。
記念日と言うのはその日だから記念日なわけで、毎年変わってしまったら記念日の意味が薄れます。クリスマスを第3月曜にしようなどと言ったらみんな反対するでしょう。クリスマスは25日だからクリスマスであり、だからこそ24日はクリスマスイブなのです。このように歴史のある日を変えてしまうというのは異論のあるところです。
さて、成人の日のいわれを辿れば中国にあります。戦国武家社会では、男子15歳、女子13歳で大人の仲間入りです。男子は元服といって、「冠(かんむり)」を大人が使うものに代え、帯刀(刀を持つこと)しました。これを冠帯といいますが、「冠婚葬祭」の「冠」の字はここから来ています。
「冠帯」は占いなどで使う陰陽五行でもその五行の強さを表すときに使います。成人だからさぞ強いのかと思いきや「形ばかりの強さで、じつはへなちょこである」という意味です。成人つまり20歳なんてのはまだまだひよっこであるということでしょう。