すばる望遠鏡とはハワイのマウナケア頂上(標高4200m)にある口径8.3メートルの光学・赤外線一枚反射鏡を備えた巨大な望遠鏡のことです。ハワイにあるけど日本の国立天文台の望遠鏡です。
望遠鏡の設置に先立つ「すばる計画」というものがあったわけですが、それは観測装置の開発やデータ処理や運用のための施設等を含み、国立天文台(NAO)は日本の天文研究者との協力のもとこれを立案・推進し、開始から約8年の歳月をかけ1999年にその基幹となるすばる望遠鏡が完成したわけです。
ハワイのマウナケア頂上付近は合衆国の認可の元、ハワイ大学が管理しています。マウナケア頂上は世界でも稀なほど天体観測に適した気候なため、ハワイ大学はホストとなって各国に天体観測施設の格安の地代で誘致を行なっています。その地代はなんとたったの1ドルとか(2000年時点)。
望遠鏡のお値段は約400億円。人工衛星のように打ち上げる宇宙望遠鏡のような失敗もなく、メンテナンスも楽で21世紀半ばまで使えるといわれるその高性能からすれば決して高くはないでしょう。
「すばる」の名前は一般公募されたもので、他の候補としては「みらい」や「ビッグアイ」などがありました。アメリカとの協議では「みらい」の方が発音的に良いとされていましたが、日本語で考えた場合「みらい望遠鏡」という名前はいつになっても実現しない望遠鏡みたいな意味になってしまうのでボツ。結局「すばる」と決定したそうです。
「すばる」といえば谷村新司の有名な歌を連想しますが「昴」というのは当て字だそうで、語源は「統べる(すべる)」の自動詞「統ばる」が正しく「集まる」という意味です。冬の夜空にほんのり光る「すばる」はプレアデス星団といい、肉眼ではっきりと見える星は6個ですが、じつは100個以上の星が集まった星団です。古くから日本文学にも使われたなじみの有る星々ですね。
話は戻って、ハワイの「すばる」は今後宇宙の深淵に向かってその探索の手を伸ばしていきます。果たして宇宙の果てといわれる150億光年のかなたには一体何があるのでしょうか?
すばる望遠鏡公式ホームページ
http://www.naoj.org/j_index.html