最近、新聞やニュースなどで聞く言葉に「コンプライアンス」があります。本来の意味は追従性、柔軟性、すばやい反応などというものですが、ビジネスシーンの多くでは「法令遵守」という意味で使われています。
企業が法令を守るのは当たり前なのですが、実際にはその「当たり前」ができていない。古くは食品メーカーの食中毒、証券会社の損失補填など、最近では三菱自動車のタイヤ脱落事故など、企業の不祥事はほんとに多いのです。
以前のように勢いがあるうちは多少の法令違反もなんとかかわせたでしょうが、昨今の厳しい社会情勢では、法令順守の欠如はその企業の存亡にかかってくるほど重要な事となってきました。
利益を出すことを目的とした企業ですが、利益のためなら法令違反もヤル、というのではなく、法令を守りながら経営するという体制を確立しなければなりません。いまこそ企業のコンプライアンス経営への取り組みが重要となっておいるのです。
コンプライアンス経営は社内で法律や規則を守りましょうと宣言するだけではできません。それには企業倫理に基づいた自浄作用が働くようにする必要があります。
自社で遵守すべき法律、および各部門や事業所で遵守すべき法律の確認ができる部署もしくは人材が必要です。えてしてトップと言われる人たちは勢いで突っ走ってきた人が多い。これらの人に法律がどうのこうのといっても、俺たちはこうやってきたのだから、違法行為を押し付けることも多いでしょう。
そうしたトップに対して発言できる社風や職場、また権限も必要になってきます。また法律というのは毎年改正されるのが普通ですから情報収集も怠りなく実施する必要があります。社内で徹底すべき法律の項目は社内規程と連動し、日常の業務に反映しておくと知らずに意識が高まってきます。
いずれにしてもこれからの企業はトップが法令遵守ということを理解していないと生き残れない時代になったといえると思います。