イラク対策ではないとしながらもテロ対策特別措置法に基づき、海上自衛隊のイージス艦がインド洋に到着したようです。アメリカは10万人以上の米軍兵士を湾岸地域に配備しつつあるといいます。イラクの状況を見れば、ほとんど戦争状態。きな臭い世の中です。
イージス艦とは海上自衛隊が保有する最新鋭護衛艦です。目標の捜索や探知、情報処理、攻撃を高性能レーダーとコンピューターで自動処理するイージス・システムを搭載していることからイージス艦と呼ばれます。
イージス(Aegis)はギリシャ神話に出てくる言葉で「盾」を意味します。船の固有名詞ではなく、そういう機能を備えた「艦」といいわけです。イージス艦を保有している国は米国以外では日本とスペインだけで、米海軍が約60隻、海上自衛隊が「こんごう」など4隻、スペイン海軍が1隻保有しています。
一応護衛艦ということになっていますが、能力的には駆逐艦もしくは戦艦に近いものがあります。従来の護衛艦に比べ防空能力が飛躍的に高く、レーダーは数百キロ以上の範囲で同時に200個以上の目標を把握、同時に10個以上の目標を最大射程100キロ超の迎撃ミサイルで攻撃できます。そもそもイージスシステムは戦闘システムですから護衛だけに特化しているわけではないのです。護衛機能はイージス戦闘システムの一部に過ぎません。
核保有に対して強硬な態度をとっている北朝鮮などの弾道ミサイル開発に対抗するにはイージス艦は不可欠ですが、日本は憲法で戦争を放棄しているだけに過剰な防衛力は違憲となります。しかし、万一に備えての防衛力は必要であり、イージス艦はそのための護衛艦ということでしょうか。
ちなみにイージス艦のお値段ですが「こんごう」で約1200億円。高いんだか安いんだか分かりませんが、これで日本の安全が守られているとすれば安いのかもしれません。銀行が抱える不良債権40兆円に比べれば屁でもない金額です。