そう。「Lovin’you」ではなく「レモンのキッス」と聞いてグぐっときた人は相当な年配者ですなぁ。まずはここをクリックして曲を聴きながらどうぞ。http://www.fukuchan.ac/music/oldies/likeido.html
最近ン?と目を止めてしまう花王エッセンシャルダメージヘアのテレビコマーシャル。バックに流れるポップな曲はなんともほろ苦く懐かしい曲。歌っているのは小柳ゆきさん。曲名は「Lovin’you」とのことですが、これは1962年にシャボン玉ホリデーでザ・ピーナッツが歌っていた紛れも無い「レモンのキッス」という曲です。
しかしこの「レモンのキッス」も外国のカバーであり、当時ザ・ピーナッツはよく海外曲をカバーしてヒットを飛ばしていました。アメリカではナンシーシナトラが「Like I DO」という題名でこの曲を歌っていたと思います。その元の曲は62年前のディズニー映画の「ファンタジア」に登場しており、更にその原曲は「歌劇『ジョコンダ』より『時の踊り』」というイタリアのオペラの中のバレエ曲にたどり着きます。
1962年といえば東京オリンピックを2年後に控え、あちこちで建築工事・道路工事が行なわれ、日本は空前の好景気でした。しかし大衆万人向けの娯楽といえばテレビとラジオ、そして映画くらいしかなく、当時の流行歌手はおおいにもてはやされたものです。ちなみに1962年にヒットした曲は以下のようなものがありました。
禁じられた遊び (ナルシソ・イエペス)
トゥナイト (サウンド・トラック盤)
ヤング・ワールド (リッキー・ネルソン)
霧の中のジョニー (ジョン・レイトン)
悲しき片想い (ヘレン・シャピロ)
ブルー・ハワイ (エルヴィス・プレスリー)
可愛いベイビー (コニー・フランシス)
ルイジアナ・ママ (ジーン・ピットニー)
太陽はひとりぼっち(コレット・テンピアOrch.)
悲しきクラウン (ニール・セダカ)
夢のデート (コニー・フランシス)
夢の渚 (エルヴィス・プレスリー)
恋の一番列車 (ニール・セダカ)
レモンのキッス (ナンシー・シナトラ)
ヴァケーション (コニー・フランシス)
このなかで、可愛いベイビーは中尾ミエさんが、ルイジアナ・ママは飯田久彦さん、ヴァケーションは弘田三枝子さんがカバーしていました。他にも同じ時期に活躍していたのが伊東ゆかりさん、梓みちよさん、田辺靖雄さんなど懐かしい面々。
ちなみに飯田久彦さんはピンクレディの仕掛け人としても有名で、現在はレコード会社テイチクの社長をしています。