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[642]ペルシャ絨毯

ペルシャという言葉の響きはとてもいい。今はイラン・イスラム共和国という名になってしまいましたが、ペルシャは中東の歴史を背負って我々日本人にエキゾチックなイメージを与えてくれます。代表的なものはペルシャ猫、そしてペルシャ絨毯。この難しい漢字である「絨毯」はペルシャ絨毯にこそふさわしいといえます。

ペルシャ絨毯の歴史は一説には3000年とも5000年とも言われていますが、実在する最古のものは2600年位前のものだそうで、モスクワ・レニングラードのエルミタージュ美術館に所蔵されています。日本に残されているものでは、タブリーズ産のペルシャ絨毯が京都の祇園祭の鉾の前飾りとして保存されています。

ペルシャ絨毯は一般にシルクで作られていると思われているようですが、本来はペルシャ羊の羊毛、それも特に柔らかい部分を使ったものが最高とされています。

羊毛は天然の染料で染め上げられます。この天然の染料もペルシャ独自のもので、ペルシャンブルーといわれる深みのあるブルーはインド藍の葉の中に含まれるインディゴの作用を利用したもの。また、味わいのある深いペルシャンレッドは植物から採取した味わいのある深い橙色に染まるのと、コチールという虫から採集されて鮮血のような真紅に染まる2種類があります。インディゴは防虫効果もあり長年にわたって品質やペルシャ絨毯独特の艶を保つのに貢献している。

さて、ペルシャ絨毯を買いにペルシャに行きたくなった人もいるかと思いますが、ペルシャは個人で行くにはかなり難しい国です。まず政情が不安定ですし、観光ビザは大使館に行ってもそうそう発行してくれません。ビザ取得には現地での身元保証が必要なのです。どうしてもという場合は、保証をしてくれる専門の会社があるようなので、そこを利用するとビザを取得してくれます。

また、イスラム教の国なので日常にも色々な制約があります。街を歩く時も一応服装や行動には気を付けたほうがいい。特に女性の服装には十分気をつける必要があります。ペルシャに限らず、イスラム国を訪問する時は事前研究が必須です。

さて本物のペルシャ絨毯はン000万円もしますが、そのような骨董品は国外に持ち出しはできません。国外に持ち出せるのは新品のみに限られ、それも大きさに制限があります。持出し禁止は絨毯に限らず骨董品すべてにいえるようです。

お酒好きの人はペルシャは辛い国です。なぜならお酒は売っていないし、持ち込みも禁止。蛇の道は蛇というくらいで、探せばあるとは思いますけど、海外であまり冒険をしてもなんだし・・・。

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