風呂には温水につかる温水浴と蒸気を浴びる蒸気浴とあります。風呂というのは「風の部屋」という意味ですから元々は蒸気浴をさし、世界的に見ても蒸気浴のほうが圧倒的に多いのです。日本でも今は温水浴の風呂が一般的ですが江戸時代より前になると蒸気浴が盛んに行われていたことが書き記されています。
蒸気浴の一つであるサウナはヨーロッパで生まれ、北欧フィンランドで確立されました。フィンランド式のサウナは、熱した石に水を掛けて温度と湿度を上げるやり方です。その起源は2000年も前に遡ると言われますが、最初は部屋の中で薪を焚き、煙を充満させて部屋を暖め、その暖を利用したスモークサウナでした。現在のようなストーブの上に石を乗せるという方法が登場したのはほんの100年ほど前のことです。最近になって電気ストーブが普及し、薪を焚くことが出来ない場所でものサウナが楽しめるようになりました。
フィンランド式サウナのフィンランド式と言わしめる方法は、この石を熱し、それに水を掛けることで温度と湿度を調整するところにあります。石のないサウナはフィンランド式とは呼ばないのですね。
サウナが健康によいとされるのは、汗をかくことによって、皮膚や皮下脂肪を洗浄して肌をきれいにし、体の中の老廃物が排出され、皮膚表面の温度が上がることで血管が膨張して血行がよくなります。それを今度は冷やすことで、血管を収縮させ、適度の運動をしたときと同じような爽快感が生まれることです。また石に水をかけて水蒸気を発生した時には同時にマイナスイオンが発生し、これが爽快感に結びつきます。
サウナの温度は大体80℃から100℃です。これ以上高くする必要はありません。この中に10分くらい入って汗を出します。汗が十分出たら、サウナ室から出て体を冷やします。外気にあたるだけでもよく、水風呂が用意されていますが無理に入ることはありません。しかし、十分温まった体は結構水風呂も大丈夫なものです。本場フィンランドでは、雪解けの冷たい湖に入ったのでしょうね。これを2~3回繰り返します。体調の悪い時はやめておきましょう。また途中で気分が悪くなったら迷わず中止。リラックスするため、リフレッシュするためのサウナですから、無理しないでに楽しみましょう。
【関連記事】
[338]カーモス
[961]熱があるときの風呂、注射のあとの風呂