お金は財務省(旧大蔵省)造幣局で作っていると思っている方も多いと思いますが、正確には硬貨、つまり貨幣は財務省造幣局で作っていますが、紙幣は財務省印刷局が製造しています。また貨幣は国が発行していますが、紙幣は日本銀行券という名のとおり日本銀行という法人が発行しているものです。
造幣局も印刷局も同じ財務省に属する機関ですが、造幣局は、貨幣の製造のほか勲章等の金属工芸品の製造、貴金属地金の品位証明業務、また記念貨幣等の販売なども行っています。一方印刷局は、紙幣(日本銀行券)や郵便切手・郵便葉書・印紙・国債等の証券類などの紙の印刷に関する製造を行っています。
現在では貨幣は補助、メインは紙幣といわれますが、元々は金や銀でできた貨幣がメインだったのです。しかし石器時代の石の貨幣ではありませんがインフレ社会とともに大量の貨幣を持ち歩くには重いし面倒。そこで登場したのが兌換紙幣です。兌換とは交換できる、という意味で、その紙幣はいつでも金貨もしくは銀貨と替えますよ。だから信用して紙幣を使ってくださいという意味のものです。したがって紙幣は信用ある国家が発行したものでないと使えませんね。紙幣は国家の発行する信用ある「有価証券」ということができます。
ちなみにメインとされる貨幣であっても、その額面の20倍の金額の支払いしか使うことができません。つまり同額の硬貨は20枚までしか同時には使えないということです。たとえば1円硬貨であれば20円のものの支払いしかできません。その人が受け取ってくれればそれは問題ありませんが。
◇通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
第7条 貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する。
【関連記事】
[890]人民元