原始生物は体表から酸素を取り入れ、それを体内の炭素と結合させ(燃焼)エネルギーを取り出していました。しかし生物がより活動的になってくると体表から得る酸素では足りません。
そこで、空気中の酸素を大量に取り入れるように肺呼吸というものを考え出し、取り入れた酸素を全身に運ぶために「血液」を考え出したのです。
血液は酸素を運ぶために、酸素と結合しやすい物質をその中心に持っています。人間のような哺乳類の場合はヘモグロビンが酸素を運びますがその中心は鉄が取り込まれています。鉄は赤く見えるため血は赤い、というわけです。
植物はどうでしょうか。植物の場合は鉄ではなく、代わりにマグネシウムが中心に取り込まれています。この物質はクロロフィルといい色は緑色です。植物が緑色の葉っぱなのはクロロフィルの色が透けているからです。秋になると紅葉するのは色づいているのではなく、緑色のクロロフィルが抜けるから。つまり紅葉している葉が本来の色なのです。
イカやタコ、昆虫は銅を中心に持っています。銅はイオン化すると青い色をしているのでイカやタコの血液は青色です。ヘモグロビンではなくヘモシアニンという分子をもっていてこれが酸素を運びます。
同じ酸素を運ぶという役割を持つ血液ですが、生物の種類によって様々なのは興味深いことです。