サイトアイコン 常識ぽてち

[983]ガリレオ温度計

イタリアの科学者ガリレオガリレイ(1564~1642)はいろいろな発見・発明をしました。一番有名なのはガリレオ式望遠鏡。対物レンズに凸レンズ、接眼レンズの凹レンズ使い、像が正立するのが特徴です。ガリレオ式望遠鏡はガリレオが発明したものではないそうですが、ガリレオはこのガリレオ式望遠鏡で色々な発見をしたため有名になった望遠鏡です。現在の天体望遠鏡はその後発明されたケプラー式が主流となっています。

さて、そのガリレオがもう一つ発明したのがガリレオ温度計。ガリレオ温度計は比重測定原理に基づいた温度計です。筒状のガラスの容器に液体が満たされ、そのなかにさらにガラスの球体(浮き)が入っていて、気温の変化に応じてその球体が浮いたり沈んだりするガリレオ温度計は実用に耐える温度計であり、またお部屋のインテリアとしても人気の温度計です。

ガリレオ温度計の原理(=比重測定原理)は熱膨張の原理を利用しています。ガラスの筒内の液体の比重が温度によって変化することを利用し、それぞれ違う比重の浮きを筒内に入れることにより、浮きの浮き沈みによって温度を表示するものです。

たとえば26度から24度に温度が下がった場合、筒内の液体の比重は高くなります。すると沈んでいた24度を表示する浮きが浮かんできて、26度の表示をする浮きの下に位置します。このときの温度、24度を読めばいいことになります

逆に24度から26度に温度が上がると、筒内の液体の比重が軽くなり、浮いていた24度表示の浮きが沈みます。その上にある26度の浮きはそのままですからこの浮きの温度26度を読めばいいことになります。浮きは2℃刻みになっていて筒内を上下に移動します。上部に移動したうちの一番下の球体についたタグが現在気温となります。

筒内に入っている液体は、温度に対して敏感に反応して体積が変わるものがよいのですが、水だと温度が変わってもあまり体積が変わらないので、ガリレオ温度計には膨張率の高い炭化水素溶液が使われています。万一破損しても害の無い液体ですが、飲まないように気をつける必要はあります。温度計は水平な場所に置いて使用し、内部液体が安定する必要がありますので、30分?1時間ほど安定させてから計測を行う必要があります。

忙しい生活の追われる中、ゆったりとした自然の法則で動く神秘的な雰囲気を持つガリレオ温度計は、生活に潤いをもたらす効果がありそうです。お一ついかが?

モバイルバージョンを終了