「青い珊瑚礁」といえば1980年の夏、松田聖子さんのヒット曲。デビュー曲と思いきやじつはこれ2曲目。デビュー曲は「裸足の季節(1980年4月1日)」。
ということで、今日は珊瑚礁のハナシ。
珊瑚礁はサンゴ(ポリプ)が集まってできたコロニー、つまり集合体です。サンゴ自体は小さなものですが、れっきとした動物です。プランクトンを捕食しますが、体内に共生させている褐虫藻が光合成を行い、その栄養分をもらっても成長します。動物でありながら植物であるような原始的な生物なのです。
珊瑚礁はサンゴの塊ですから、下のほうは死骸でできています。上部や周辺部分は生きており、その領域をどんどん増やしていきます。光合成を行う関係で、珊瑚礁は熱帯の暖かい海で太陽光の届く浅いところが好きです。熱帯の海岸が白くきれいなのは珊瑚礁の破片が砂に混じっているからです。
日本でも暖流に影響される海域では珊瑚礁を見ることができます。南西諸島や伊豆諸島、小笠原諸島など南部の島はもちろんのこと、本州でも房総半島以南の各地で小規模ですが見ることができます。
珊瑚礁の構成体であるポリプは分裂しながら固体を増やし、海水中の二酸化炭素やカルシウムを取りこんで、炭酸カルシウムを主成分とした骨格を作ります。そのため死骸が蓄積した珊瑚礁の下には分厚い石灰岩の層ができます。この石灰岩の層が地球上の二酸化炭素の多くを取り込んでいるのです。
珊瑚礁を破壊すると、二酸化炭素を取り込むことができなくなり、地球温暖化を促進することになります。逆に珊瑚礁を育てることで地球温暖化を防ぐことも可能です。
二酸化炭素による地球温暖化が叫ばれていますが、その対策として木を植えても、それが燃えたり腐ったりすれば、木に取り込まれた二酸化炭素は100~500年ほどで放出されてしまいます。ところが珊瑚礁に取り込まれた二酸化炭素はほぼ永久に保管されます。長期的に見れば木を植えるより珊瑚礁を保護したほうが地球温暖化は防げるのです。
ちなみに日本でもあちこちに鍾乳洞が見られますが、これは海底の珊瑚礁が隆起して陸地になり、雨に浸食されてできたもの。鍾乳洞は元をただせば海底の珊瑚礁だったのですね。
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