防衛省の元高官守屋事務次官が民間企業の山田洋行から何度も接待を受けたことが問題になっています。
軍需専門商社「山田洋行」の元専務から度重なるゴルフ接待を受けていた守屋武昌・前防衛事務次官が、今年4月末にも妻同伴でゴルフをしていたことがわかった。(2007年10月26日朝日)
公務員が持つ権力に関して、何らかの便宜をはかってもらうために金品を贈ることを賄賂(わいろ)といいます。賄賂を行なうと賄賂罪となります。賄賂罪は刑法にも規定されている重い犯罪です。
賄賂を贈るほうは贈賄罪、受け取るほうは収賄罪となり両方とも罪になります。今回の事件(守屋次官と山田洋行)でいえば、守屋次官は収賄罪、山田洋行は贈賄罪となります。
公務員特に官僚は国の予算の使途を決定する権力を持っています。たとえば軍事飛行機の輸入の場合、どこのメーカーにするか、それをどこの商社から買うか、いくらで買うか、などの決定権です。
売り込みをかけている商社は自社の商品を買って欲しいですから、当然担当である公務員に近づき、飲食やゴルフの接待をしたくなります。公務員側からすれば、いろいろ接待してくれればその商社から買いたくなるでしょう。そして結果として高いものを買うことにもなりかねません。
国家予算は税金でまかなわれていますから、高い飛行機を買うことはその税金を一人の公務員の都合で無駄に使うことになります。だから、公務員の賄賂を禁止するのです。お隣、中国ではこういった賄賂を受け取った高官は死刑となるくらい厳しい。日本では死刑にまではならないので、その点甘いといえます。
賄賂罪が成立するのは、大きな権力を持つ公務員に限られます。これが一般企業の場合は賄賂罪は成立しません。しかし同様な行為が企業で行なわれた場合は、会社に損害をもたらしますので背任罪が適用になります。
いずれにしても、会社や国の予算を自分の私腹を肥やすために使うというのは反社会的な行為であることに間違いありません。