今日は関東地方はあいにくの雨。何気なく空を見上げるとそこにはどんよりと雲があります。今日はその「雲」のハナシ。
空気中には水蒸気が含まれていますが、水蒸気は肉眼では見えないくらい小さく、水よりももっと小さい粒でできているものです。水蒸気は気温が高いと空気の中に多く含むことができ、気温が下がると空気の中に含むことのできる水蒸気の割合が減ってきます。
水蒸気を含む暖かい空気が上昇気流などで上空に押し上げられ、上空で冷やされると、水蒸気が飽和状態になり、近くにある塵などを核として取り込み、水になります。氷点下では氷になります。この水や氷の粒が集まったものが雲です。雲の種類は国際的に10種類と決まっていて、自分で勝手に名前を付けることはできません。これを「10種雲形」といいます。
雲は発生する高さで上層雲(高層雲)、中層雲、下層雲(低層雲)の3つに分けられます。
◆上層雲(高層雲)上空5000メートルから13000メートル
「巻雲(すじ雲)」
「巻積雲(うろこ雲)」
「巻層雲(うす雲)」の3種類。
上空にあるためほとんど氷の粒でできています。巻雲はいわゆるすじ雲、巻積雲は小石を敷き詰めたように見えるうろこ雲、巻層雲は空一面を薄く覆うように広がっている雲です。
◆中層雲 上空2000メートルから7000メートル
「高積雲(ヒツジ雲)」
「高層雲(おぼろ雲)」
「乱層雲(雨雲・雪雲)」の3種類。
高積雲は綿のように大きなかたまりになってぽっかり浮かぶように漂う雲です。「高層雲」なのにくくりは「中層雲」?これがわかりにくい。乱層雲は全天に暗く広がる雲で、いわゆる雨雲がこれです。
◆下層雲(低層雲)2000メートル以下
「層積雲(うね雲)」
「層雲(きり雲)」
「積雲(わた雲)」
「積乱雲(雷雲)」
層積雲は低い空によく現れる曇り雲。層雲は最も低く現れる霧のように見え、低い山を覆ってしまう雲です。積雲と積乱雲は地上付近から上昇気流によって13000メートルまで縦に伸びる雲です。モクモクと成長する過程のものが積雲。積乱雲はその成長が止まり頂上が広がっている雲です。夏によく発生し、夕立や雹(ひょう)を降らせる雲でもあります。
◆番外編
国際的には種類として認められていない雲。
「地震雲」
地震の元となる断層の変動による地磁気の影響でできるとされる雲。一本のチューブ状の雲ですが、時間がたっても流れないで同じところにとどまるのが特徴です。実際に地震に関係あるかどうかの本当のところは未だわかっていません。
「飛行機雲」
飛行機のエンジンの排気に含まれる水蒸気が急激に冷やされて雲状になったものが飛行機雲です。そのほかにも急旋回をしたときなど、翼にかかる圧力に違いで飛行機雲を発生することがありますがこれは稀で、ほとんどが排気ガスによるものです。