茨城県の阿見町にアウトレットモールがオープンしました。阿見町は私のところからそう遠くない場所なのですが、何でこんな田舎に、というのが正直なところ。そういえば、アウトレットモールはどこも田舎に位置しています。実はアウトレットが田舎にオープンするのにはわけがあるのです。
アウトレットとは、出口という意味。その昔イギリスのブランドメーカーが、工場の一角に売り場を設け「訳あり品」を直販したのが始まりです。ちなみに反対語はInlet(入り口)。
「訳あり品」とは、製品のラインで規格に外れてしまったものを手直しして売れるようにしたいわゆるB級品。あるいは工場で生産したものの在庫過剰で処分しなければならなくなったものや型遅れのもの。不良品を販売しているわけではありません。
生産工場ですからもともと郊外に位置しており、その工場での放出品ということでアウトレットショップの起源となったわけですが、それ以外にも田舎で展開する理由があります。
それは正規品販売店との競合を避けるためです。
訳あり品といえども、ブランド品には変わりありません。アウトレットショップを正規品販売店のある都心で展開したら、正規品販売店はアウトレットショップに売上をとられてしまうでしょう。同じ企業内で競争をあおるのは自滅行為であり好ましいことではありません。
なので、メーカーは正規品販売店とアウトレット店が共存できるように、アウトレット店は都会から離れた田舎にオープンすると、そういうことになったのです。
アウトレットといえども名ばかりのアウトレットショップもありますので、そのあたりは識別眼を付けなければなりません。また偽物をつかまされても大変なので、アウトレットという言葉には慎重になる必要があります。
もっとも、メジャーなアウトレットモールの場合は、テナントは吟味されているのでそういった心配は無用です。ぜひお近くの「田舎のアウトレットモール」でブランド品の買い物を楽しんでください。
※田舎(いなか)=親しみをこめて「いなか」と呼ばせていただいております。
—いなか在住のたまごや—
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