ライブドアとフジテレビがニッポン放送株の取得を巡って物議をかもしていますが、一体これはどういうことなのでしょうか?まず、なぜライブドアがニッポン放送株を狙ったか、という点です。
ライブドアはインターネットでメディアをたくさん持っています。その中でもライブドアドットコムは主力となるポータルサイトでしょう。ライブドアドットコムを主体として、色々なコンテンツが複合体として存在しています。つまりライブドアの運営しているメディアの中でも盛衰があり、内部的に新陳代謝をしており総合的に新鮮さを保っているのです。これはインターネットメディアとしては当たり前のこととなっています。
で、ライブドアが次にその中に取り込みたいものとしてあげられるのがテレビです。狙ったのはフジテレビ。では、なぜニッポン放送株なのかといえば、フジテレビの親会社がニッポン放送というラジオ会社だったからです。超巨大テレビ会社の親会社が斜陽産業の弱小ラジオ局。この不安定な構図をライブドアの堀江さんは見逃さなかったのですね。
そのニッポン放送株を皆の知らない間に手に入れ、あっという間にニッポン放送の筆頭株主になりました。当然その子会社であるフジテレビも支配下に入れてしまったわけです。
寝耳に水なのはフジテレビとニッポン放送です。慌てて増資・TOBなどの手法でその他の株を取得し、ライブドアに対抗しました。結果、フジテレビは拒否権の発動ができる議決権比率で39・26%の株式を確保。ライブドアはニッポン放送株の発行済み株式を議決権比率で42・59%を確保しています。
なぜこうなる前にフジテレビはニッポン放送の発行済み株式の50%以上を確保していなかったのでしょうか?50%以上を持っていれば文句無く経営権はフジテレビのものです。
いや、その前になぜフジテレビの親会社をニッポン放送のままにしておいたのでしょうか?時代の順番からすれば、テレビの親はラジオですが、いまはもうテレビのほうが圧倒的に力があります。こういった旧態依然とした仕組みをそのままにしていたフジ・ニッポン放送には大きな落とし穴があったとみることができるのです。