北朝鮮が核保有を宣言しました。北朝鮮は過去、核は保有しないと何度も宣言していますが、その約束をまた反古にしたことになります。北朝鮮の核保有の問題を話し合うのが6か国協議です。参加国は、日本、韓国、アメリカ、ロシア、中国、北朝鮮の6つの国です。
アメリカを除けば、残り5か国は北朝鮮の周囲をぐるりと囲んだ国々です。ロシアはソビエト時代に共産主義国として北朝鮮に味方していました。中国も共産主義ですから北朝鮮の味方でした。しかし米ソ冷戦が終結し、ソ連も中国もアメリカとは仲が良くなりました。一方、韓国は資本主義国家で元々アメリカと日本とは仲が良いのです。
こういった関係になっているため現時点では北朝鮮は孤立しています。6か国協議に参加しても面白くはないのです。6か国協議は北朝鮮の核保有を問題にする協議ですから当たり前ですが。
北朝鮮がもっとも恐れるのは、アメリカの出方です。イラクの例を見るまでも無く、独裁国家は例外なく崩壊します。そして金正日も当然それを予知しているでしょう。独裁国家を終了させるに一番大事なことは自分の身の安全です。無血開国。
核保有を宣言し、その理由を金体制の保全のためとする。そして、アメリカに身の安全を保障すれば、核を廃棄する。このようなシナリオが見え隠れします。イラクのフセインにしても、フィリピンのマルコスにしても独裁者の行く末は悲惨です。金正日の身の安全のみで外交をする北朝鮮の国民はほんと気の毒です。
北朝鮮による日本人拉致事件にみる北朝鮮の外交はなかなかうまいといえましょう。北朝鮮は日本の方を見ていません。すべてアメリカの出方を窺っているのです。北朝鮮が怖いのはアメリカです。アメリカを怒らせば、平壌は一夜にして火の海ですし金正日の命はありません。
日本が仮に経済制裁をしたとしてもあまり効果は無いでしょう。経済制裁をすれば北朝鮮の国民は困りますが金正日は全然困らないのですから。しかしピョンヤンが攻撃されたら自分の身の安全が脅かされるのでこれた金正日にとって大変な問題となります。したがってアメリカの出方にはびくびくしているというのが実情でしょう。
日本はアメリカと同盟を結んでいますから「日本人を拉致したのはアメリカ人を拉致したのと同じこと」とアメリカが判断すれば、これはアメリカに対する侵略となります。そうなればアメリカは黙っていないでしょう。
しかし実際には、日本人拉致事件に関してはアメリカは黙っています。黙っているのなら、北朝鮮は拉致事件に関して進展の姿勢は見せないのではないでしょうか。日本は軍事力はありますが、平和憲法のせいでピョンヤンを攻撃できません。アメリカも黙っているので、北朝鮮はいい気になっている、というのが現状でしょう。
小泉さんが拉致問題の早期解決を求めるなら、ブッシュさんに「日本人を拉致したのはアメリカ人を拉致したのと同じこと」と言わせることです。北朝鮮は手のひらを返すように一発で解決するでしょう。