イヌ・ネコの避妊は動物の大きな目的である「生殖」という機能を人間の勝手で決めていいのかという問題がありますが、現代ペット事情からして避けることはできない関門といえましょう。
ペットのイヌ、ネコの場合、生殖器の摘出手術と、薬を使用して発情を停止する二つの方法があります。手術は、メスの場合開腹して卵巣のみあるいは卵巣と子宮を取り除くもの。オスは睾丸を摘出するいわゆる去勢手術を行います。
薬による避妊法は、ホルモン剤を皮下に埋め込むかまたは注射をします。発情の停止期間は薬により違いますが、5か月から2年間。埋め込んだ製剤を除去、注射をやめれば再び発情し妊娠可能になります。
メスに対して避妊手術をする利点は、発情がこなくなるのでそれに伴う出血、匂い、が無くなり飼い易くなります。また子宮蓄膿症などの病気の心配がなくなることもメリットです。
オスに対して去勢手術を行う利点は、性格がやさしくなり、ネコなどに見られるスプレイ現象(おしっこをそこら中にする)が抑えられます。また前立腺や肛門周囲腺(イヌ)などの病気を防ぐことができる利点があります。欠点としては、デブになります。よくTVに出てくるデブネコは去勢されたオスが多いですね
避妊手術はネコの場合で2万~3万円。イヌの場合は3万から5万円くらいでしょう。メスのほうが手術費は高いです。ちょっと高く感じるかもしれませんが、これで一生安心して暮らせることを思うと安いものです。術式は高度で麻酔なども人間並みの高価な薬品を使って、術中のストレスもなるべく少なくするよう配慮されています。獣医師さん曰く、イヌ・ネコの避妊手術は高い薬を使うのであまり儲からないとのこと。
なお、地方自治体の中にはイヌ・ネコの避妊手術・去勢手術に対してその費用の一部を補助するところがあるので利用しましょう。詳細は市町村役場へ。