~家族の絆~
家族が本人から借金を打ち明けられれば、その時点で問題は半分解決したようなものです。しかしここで家族は本人を責めてはいけません。「何に使った?」などと責め立てれば借金は少なく申告したくなるのが人の心理です。少しでも見えない借金が残っていれば、また同じことを繰り返す恐れもあります。ここは感情的にならず、本人の借金を洗いざらいさらけ出すよう親身になることが必要です。そうしても建設的な話し合いができないのなら、信頼できる相談機関を利用するのも方法です。
家族が相談に乗ることは良いことですが、借金を家族が安易に立て替えるのは禁物です。借金はまずその「借金体質を改善すること」が必要。つまり本人の自覚が必要なのです。安易に立て替えれば、借金癖が直らず、また同じ借金を繰り返すことでしょう。本人に生活再建の意欲を持たせ、収入の範囲内で暮らす習慣を身につけさせることが先決です。
どのような人が借金で苦しんでいるかの統計では、「30歳代の男性」と「40歳代の女性」が全体の60%以上を占めています。そして「既婚・子供あり」が同じく50%以上を占めています。これは、家庭を持っている人に多重債務者が多いことを物語っています。他人事ではないのです。
また、借金が苦しくなった理由では「既存の借金を返すため」というのがダントツで1位。そして無計画な借入れが2位となっています。つまり無計画な借金をし、その返済にまた借りる、ということを繰り返している人がほとんどなのです。そしてそのほとんどが家庭持ち。多重債務者を減らすには、家族が気づいてあげることがいかに大事かおわかりだと思います。
●家族・知人が多重債務者になった場合の対処法3カ条●
1.責め立てない
すべての借金を告白できず、問題解決が部分的になるリスクがある。
2.外部の相談機関を利用する
身内同士だと話し合いも感情的になりがち。法律相談は信頼できる機関を慎重に選択。
3.「借金を返しておしまい」にしない
安易な立て替えは禁物。収入の範囲内で暮らす習慣が身に付かないと、借金を繰り返す可能性もある。