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[893]サラ金の利息

7月19日最高裁では、消費者金融会社アイフルに対し、借り手本人の取引履歴を開示する義務があると判断しました。ということは消費者金融会社は取引履歴の開示を拒んでいたわけです。なぜ消費者金融会社は開示を拒み、また借り手の人は開示を求めたのでしょうか?これには深いわけがあるのです。

アイフルに限らず消費者金融の金利は年利26%などと高金利です。しかし、利息制限法では借入金10万円未満で年利20%、10万円以上100万円未満で同18%、100万円以上で同15%を上限とするという定めがあるのです。消費者金融会社のほとんどが明らかに違法行為をしているのです。

では、なぜ法律違反の金利で商売ができるのか?

利息制限法では違反した金利については無効であるという規定はあるのですが罰則がありません。従って借り主が利息制限法という法律を熟知し、利息制限法の超過部分は無効であるから払わない、と強く言い、これを認めさせない限り利息の催促から逃れることはできないのです。

金利の規制については、別に出資法という法律があり、これによれば年29・2%を超える貸付を業として行った場合には、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられます。しかしその範囲内である限りは処罰されることはありません。利息制限法に違反するが出資法には反しない金利のことを「グレーゾーン金利」と言います。

今回の訴訟は、違法な金利部分をはっきりさせ、利息制限法による正当な金利で計算しなおし、払いすぎた分は返してもらうという訴えなのです。

しかし貸金業法43条にこういう規定があります。「サラ金業者が厳格な要件を満たす書面を貸付時及び返済時に欠かさず交付している場合に限り、利息制限法違反の金利を徴求する余地を認める」

つまりこれは違法金利を認めさせる条文となりますが、この厳密な書面を満たしている業者は稀なのです。しかしそれを公に認めさせるのは至難の技。ここは弁護士の力を借りるしかありません。

取引開示についてはサラ金業者が必ずしもその取引経過を全面的には明らかにするとは限りません。自分の不利益になるからです。借り主側としては契約書や支払の明細、領収書等は必ず保管しておくことが大切です。

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