スペインの女王の命を受けて、1942年大西洋を横断したコロンブスはそこで発見したアメリカをインドと間違えた。そこにいた先住民をインディアンと呼んだため、現在でもその名が生きています。インドの本家インディアンに対しアメリカに住むインディアンであるからアメリカインディアンといいます。
アメリカの先住民だからネイティブアメリカンと呼ぶ動きがあります。しかし、当のアメリカインディアンは自らをインディアンと呼んではばからない。そこにはアメリカインディアンと白人の差別と略奪と虐殺の長い確執の歴史を忘れないという強い意思があるからなのです。そう、「アメリカインディアン」は差別用語なのです。
西部劇には必ず登場するインディアンは、粗野であるけれど、生きることに真摯でした。無益な戦いはせず、部族間の争いはあったけれど全滅に追い込むような事はしない。自然とともに生きてきたのです。
ところで、今のインディアンはどういう生活をしているかというと、普通の生活をしている。日本のチャンバラ時代劇が過去のものであると同じようにアメリカ西部を舞台としたいわゆる西部劇はすでに過去のもの。しかし、インディアンの生活は楽ではなく、表向きは差別はなくなったかのように見えますが、そこには過去の重い傷跡があることが否めません。
そんな歴史を知ってか、アメリカ人はインディアンに対し気を使っていたと思う。日本に紹介されるインディアンはテレビや本からでしかないが、あのローンレンジャーや、名犬リンチンチンでは少なくともインディアンは悪者ではないし、それどころか正直で素朴な善人に描かれています。
「キモサベ、インディアンウソツカナイ」
ところで、アメリカインディアンは、そのルーツを探ると我々東洋人と深い関わりがあるらしい。その昔、氷河時代の終わりごろ、モンゴル族の一部がアメリカ大陸へ移住していったらしいのです。一方でモンゴル族は南下し日本列島に渡ってきたとか。
そういえばインディアンの顔つきは東洋人のようでもあります。
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