裁判官(判事)は世間知らずである。いやこれは別にけなしているのではなく、じつはそれが仕事なのだ、ということなんです。
裁判官は法廷という一種独特のところで仕事をします。裁判官はその一言が社会を決定します。それだけに言動に対する注意は人一倍しなければなりません。他人との利害関係も断たなくてはなりません。仕事での接待や付き合いは無い、というよりしない。考えてみれば大変な仕事であります。
私生活も謎だらけです。もっとも、仕事量がめちゃくちゃ多い裁判官は次の裁判の資料集めと法廷の準備に追われ、家でもほとんど仕事をしているとのこと。裁判所で仕事、自宅でも仕事、その上仕事上の付き合いもない。当然世間知らずになるのは仕方の無いこと。
最近ではその裁判官の「世間知らず」が審判に影響し、妙な判決が出る?ということで、裁判官を努めて民間企業で研修させるなど改善の方向に向かっているようです。
裁判官になるには長い道のりがあって、まず国家試験では最も難しいとされる司法試験をクリアする必要があります。司法試験は裁判官に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とする国家試験であり、第一次試験と第二次試験に分けて行われます。
その司法試験に合格してもただちに裁判官になれるのではなく、合格者は、さらに二年間の修習を行い、修習後のいわゆる二回試験に合格して初めて有資格者となる。そうしてやっと判事補になるのです。
法律というと難しいように感じますが、じつは私たちが安全に快適に暮らせるように定めた最低限のルールなのです。裁判官はそのルールを正しく解釈し、社会を守る大切な役割を持っています。良識ある正しい裁判官が育成されるよう願ってやみません。
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