サイトアイコン 常識ぽてち

[797]パラリンピック

オリンピックの開催地では同じ年にパラリンピックが行なわれます。パラリンピックはハンディキャップをもつ人たちが参加して行う「国際身体障害者スポーツ大会」。一般的には身障者のオリンピックということで知られていますが、今では「もう一つのオリンピック」という意味で使われています。そこはすでに「身障者」という意味はありません。

8月29日に2004年アテネオリンピックは終わりましたが、パラリンピック競技大会は9月17日に同じ場所で開催され12日間の予定で実施されます。実施予定競技はアーチェリー、陸上競技、車椅子バスケットボール、自転車競技、馬術、脳性まひ者7人制サッカー、視覚障害者5人制サッカー、車いすラグビー、車いすテニス、ゴールボール、柔道、パワーリフティング、セーリング、射撃、水泳、卓球、シッティングバレーボール、車いすフェンシング、ボッチャの19競技。

今年から視覚障害者を対象とした5人制サッカーと女子柔道、シッティングバレーボール女子、車いすテニス・クアードクラスが新競技として加わりました。ルールは健常者の競技と全く違い、身体障害の度合いがも違うため細かくクラスが分かれます。したがって競技によっては参加者が少なく金メダルを狙いやすいという種目もあるようです。

オリンピックはその競技において体一つで競技するという思想が一貫しています。ドーピングなど薬物使用も厳禁。しかしパラリンピックは補助器具を使う関係上「どこまでやるのか」という一線が今後の課題となりそうです。

たとえば陸上の競走では、選手は義足をつけて走ります。その結果は身体的要素より義足の性能に依存する、ということが言われ始めています。確かに空中を飛ぶように走る選手の姿は今までにない光景でした。いずれサイボーグに近い選手がメダルを総なめする、というような事態が起こるかもしれません。

いずれにしても身障者が表に出る機会を与えてくれるパラリンピックは社会的にも大いに認められるべき行事であることには間違いありません。欲を言えば別に行なう「もう一つのオリンピック」ではなく、オリンピック自体に統合し同時に開催してほしいと思います。目指すべきはオリンピックのバリアフリーだといえるでしょう。

【関連記事】
[931]冬季オリンピックあれこれ

モバイルバージョンを終了