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[777]クワバラ

恐ろしい目にあったとき「クワバラ、クワバラ」といいません?

いまどきの若い人は使わないのかもしれませんが、お年寄りは今でもよく使いますね。

「クワバラ」とは「桑原」であり、もともとは大阪の和泉市にある一地名だとされる説。この桑原にある西福寺というお寺には今でも雷井戸と呼ばれる井戸があります。この井戸のいわれは、奈良時代に道行と言う坊様がいて、ある時雷に遭遇したときに大般若経を浄写したら雷がやんだという伝説にちなんだもので、その井戸は雷を封じ込める力があるとされたのです。

それ以来、雷がなると「クワバラ、クワバラ」と唱えることで、雷様に「ここは雷を封じ込めた桑原ですよ」と早く鳴り止みなさいという意味で使われるようになりました。

別の説。

桑は蚕が食べる葉です。蚕は繭を作り、繭から絹糸を作ります。養蚕は中国では3000年も前から行なわれており、日本にも奈良朝以前に伝来し、日本書紀や万葉集で早くも歌われています。

絹糸は今も昔も高級品で、付加価値抜群の生産品ということで尊ばれてきました。蚕が食べる桑は聖木と仰がれ、そのせいで桑畑には雷が落ちないと言い伝えられるようになったのです。その霊力ゆえ桑畑には雷が落ちないので、恐い思いをすると、「クワバラ、クワバラ」と言うようになったとか。

さて、この「クワバラ、クワバラ」。若い子もたまに使ってみるといいかもしれません。彼氏と遊びすぎて帰りが遅くなって門限を大幅に越えてしまったとき、親父の雷が落ちる前に唱えてみよう。「クワバラ、クワバラ」。さて、効果のほどはいかに・・・

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