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[763-1]連立政権

衆議院選挙も蓋を開ければやはり自民党の政権は揺るがず、といったところでした。しかし自由党を合併した民主党の躍進はすさまじく、一方で保守新党の解党および自民党への合流、共産党、社民党の退潮は民意を反映したものといえましょう。

解散前の連立政権は自民党と公明党、そして保守新党の三党連合でしたが、これもいろいろな思惑があってのことでしょう。まず自民党と公明党が手を結ぶというのは本来ありえないことです。政党というのはそれぞれの政策があってそれを推進すれば他の政党とは折り合わないから「それぞれの政党」があるわけです。しかし「与党になる」ということはよほど魅力があるのでしょう。名誉的にも金銭的にも。自民党の歩み寄りをすんなり受けて与党になった公明党なのでした。

保守新党(当時保守党)はもっとすごいです。何しろ名前からして「保守党」ですから。政治とは世の中の移行に則して常に革新であるべきなのに「保守党」ゆえいつでも保守です。保守ということは、またいつ何時でも与党になびくということです。ポリシーの無いこういう政党が消え去るのは当たり前のことです。党首もすごかったですね。扇さん。全くの素人が大臣まで務める。日本は不思議な国といわれても仕方ありません。

名前ですごいのは共産党も社民党も同様です。共産党はもともとは共産主義を推進する党です。いまどき共産主義を進めているわけではないと思いますから、もうそろそろ党の名前を変えたらいかがでしょうかね。

社民党は元社会党ですから、社会主義を推進していました。社会主義も共産主義も同じことで、今時ではないのですから社民党としたのでしょう。しかし旧態依然とした政策と体質はもはや再起不能です。政党は伝統と歴史があってはいけません。常に新しい時代にあった新しい政党があるべきです。そういう意味では自民党も長く続きすぎたといえます。

さて、今回小泉さんもじつのところ勢力は読めなかったのでしょう。最初から公明党、保守新党と合同戦線を敷いていました。もしかしたら過半数割れということも考えていたのでしょう。

しかし、自民党だけでもやれるという結果が出れば、この先の連立政権は危ないです。保守新党は自民党に合流しましたが、公明党との合併はありえません。お互いの政策に異論があれば、すぐにでも自民党は公明党を追い出すに違いありません。

しかし公明党は与党でありたいから、政策はおいといて自民党の言いなりになるでしょう。そうなったら、やはり今の保守新党と同じでポリシーが無くなってしまいます。そうなったときの民意はどうなるでしょうか。公明党への支持は難しいものとなるはずです。

とどのつまり、連立政権は与党になりたいという政党が甘んじる形骸的なもの。あまり世の中のためにはならない代物なのです。各政党は、与党になるならないは別として、わが道をゆく頑固政党であってほしいと思います。といってもやっぱり与党になりたいのでしょうけど。

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