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[532]五色

昔の人は光の色は五色だと思っていました。水面や氷がきらきら光るその様を五色の輝きとたとえたわけ。この場合の五色とは赤、黄、緑、青、紫です。

しかし、科学が発達してよく調べてみると、光はじつは七色であった。ここで上記五色に橙、藍色が加わる事になります。指が五本であることに始まり、五体、五感などなんでも「五」に収めたい輩にとってはなんとも都合の悪い事だったでしょうね。

五色を歌ったものといえば、七夕の歌。五色の短冊~。この場合の五色は色々な色。たくさんの色という意味で使っています。

ところで、中国の陰陽五行論にも「五色」というのがあります。これは、青、赤、黄、白、黒の五色です。この場合の「五色」と言うのはたくさんの色という意味ではなく個々に深い意味があります。

青は、方位は東、季節は春を指します。青春という語はここからきています。
赤は、方位は南、季節は夏です。朱夏といいます。
白は、方位は西、季節は秋です。北原白秋はここから名づけたと思われます。
黒は、方位は北、季節は冬です。玄冬といいます。玄は黒いと言う意味で、玄米(げんまい)、玄人(くろうと)などの語句
があります。

七夕に使う短冊は色とりどりの色紙を使いますが、これが中国の七夕(しちせき)伝説からきたものであれば、当初の短冊はこの青、赤、黄、白、黒の五行の五色を使ったのではないかとの推測もできます。

ちなみに虹は今は七色ですが、色の波長はなだらかに変わっているのできっちり分かれているわけではありません。256色でも1677万色でも良いわけです、ほんとは。

虹は外側から、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。波長の長いほうが外側になります。赤の外側が赤外線。紫の外側が紫外線。ともに光には違いありませんが可視光でないため人間には見えません。

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