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[1223]プライベートブランド

ジャスコ(イオン)で買い物をすると、Top value(トップバリュー)というブランド商品が目に付きます。これはジャスコの独自仕様によるプライベートブランド。これに対して、メジャーなメーカーのブランドはナショナルブランドといいます。たとえば今の季節に必需品なのが「鍋つゆ」。トップバリューの「寄せ鍋」つゆは248円とかですが、フジッコとかモランボンなどの有名メーカー品は298円します。

最近では、景気後退・生活に対する警戒感から、こういったプライベートブランドが売れているようです。といっても本当はナショナルブランドがほしいのに、いやいや買うのですが。

そこにきて、大手流通業の生協から発売されているウインナーソーセージから化学物質トルエンが検出されて問題になっています。責任の矛先は製造元の伊藤ハムに向かっているようですが、もともとプライベートブランドというのは、その仕様を出した流通業、つまり今回の例で言えば、生協が責任を持つべきものです。伊藤ハムは生協の出した仕様書にしたがって製品を作っただけなので、製造メーカーとしては責任は無いので名前は出しません。たとえ事故があったとしても、社会的責任を持つのは生協なのです。

では伊藤ハムにまったく責任が無いのかといえば、それは生協に対しての責任はあるといえます。しかしそれも、生協(依頼者)と伊藤ハム(請負者)の契約によります。

たとえば、使う原材料について、伊藤ハムは100円のものを使うように推奨しても、生協が80円のものを使えという仕様書を出したら、伊藤ハムはそれに従うしかありません。

また安全性のチェックにしても、工程に3回安全性のチェックをいれるということを伊藤ハムが提案しても、生協が2回でいい、といえば、チェックは2回となります。その結果、安全性に問題がある製品ができあがったとしても、それは生協の責任であって、伊藤ハムには責任はありません。

プライベートブランドというと、安かろう悪かろうというイメージですが、そうとも限りません。上記の例で言えば、たとえば安全性のチェックで、通常ならば3回のところ4回にするという仕様書を出し、より安全性を強化した製品の製造も可能なのです。ヨーロッパなどでは、こういったプライベートブランドが、ストアの商品の40%以上になっているところもあるとか。そういう意味では、日本のプライベートブランドはまだまだ未熟。これからの市場といえましょう。

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