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[514]ネコの瞳

ヒトは明るいところから急に暗いところに入ると周囲がよく見えません。ところがしばらくそのまま暗いところに居ると段々見えるようになってきます。これは瞳が大きく開いて少ない光を集め、網膜にその光を当てて画像を結ぶためです。つまり、瞳が大きく開くほど光をよく集めるので、暗いところでもよく見えると、こういうことです。

ネコは夜でもよく目が見えるというのは、瞳の口径が大きいから。あんな小さい体なのに人間より大きな瞳を持っています。また、その瞳も調節がしやすいように左右に開閉する仕組み。人間の瞳が丸いまま絞り込むのに対し、左右に開閉する方法は光の調節だけではなく獲物までの距離を測るのにも適しているようです。

さらにネコは網膜の後ろにタペタムという反射板を持っており、一度捉えた光を反射してもう一度網膜に投影する。それにより、光を倍に感じることができ、さらに暗いところでも見えるというわけです。

ところで、このように暗いところでもよく見えるネコの目ですが、色はどうなんでしょうか?動物は色盲だといわれて久しいですが、色の識別についてはどうなのでしょうか?

ネコの目は光を感じるのに特化しているといえます。それは網膜にある色を感じる機能を節約して光を感じる部分にその多くを使ってきたから。したがってネコは色を全く感じないわけではないが、色はよくわからないということです。ちなみに、犬も色盲といわれてきましたがこれも間違いで、多少の色はわかるようです。

ヒトの瞳はまん丸ですが、そのせいで瞳を完全に閉じることは構造的に不可能。ところがネコの瞳は縦長のため完全に閉じることができます。ネコは目が良い事で生き延びてきた生物。瞳が完全に閉じるということは目を守るのに都合がよかったわけです。

縦長に閉じる瞳は草原で草の間から獲物を見るのに都合がよかったという説がありますが、これはちょっと怪しいですねえ。

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