【派遣元】、【派遣先】、【派遣社員】について
◆雇用関係
雇用契約は【派遣元】と【派遣社員】が締結します。雇用契約ですから労働基準法が適用されます。
◆請負関係
請負契約(派遣契約)は【派遣元】と【派遣先】が締結します。派遣先は派遣元にどう言う人材がほしいかをいって、希望に合った人材を派遣してもらいます。
◆業務上の指揮命令
業務上の指揮命令は【派遣先】が【派遣社員】に対して行います。
■派遣社員からすれば、その労働は極めて特殊な状況に置かれます。労働上の苦情が生じた時に、派遣元も派遣先もそっぽを向くことが横行しました。派遣法は派遣社員を守るために制定されたものです。
労働基準法では雇用関係にある派遣元と派遣社員の間に適用されますが、派遣法は労働基準法を補い、派遣先にも派遣元と同じように一定の責任を持たせるものです。つまり派遣先は派遣社員を「いいかげんな使い方をしてはいかん」と、こういうわけです。
■派遣社員は労働上に不満があるなどして苦情を申したてる場合は、まず派遣元に申したてます。派遣元はその苦情があったことを派遣先に通知し、その解決に向かって努力しなければならないとしています(派遣法第40条)。
派遣元からすれば派遣先はお客様です。苦情があってもなかなかそれ伝えられないという背景があったのではないでしょうか。またそれを受けて、派遣先にもそれを受けるための責任者を置いたり派遣先管理台帳を設けたりすることを義務付けています。
■派遣先は契約期間中は正当な理由無く派遣契約を解約することはできません(派遣法27条)。これは労働基準法の解雇にあたる規定と同じくらいきびしいものです。
■派遣先は、派遣社員が派遣元と締結している雇用契約の内容を超えて就業させることはできません。派遣先は派遣社員に対して業務上の指揮命令することができますが、その範囲は雇用契約の内容を超える事はできません。もし、契約内容を超えるような就業をさせる時は、派遣社員の同意を得て、あらかじめ延長できる労働時間や就業できる日を決めて派遣契約書に記載する必要があります。