【退職勧奨】
会社から「退職してもらえないだろうか?」と打診されることを退職勧奨といいます。個人的に勧奨するほか、早期退職優遇制度や希望退職者募集も退職勧奨になります。
退職勧奨には法的な強制力はありません。ですから、本人に退職する気がさらさら無い場合は応じる必要はありません。
退職勧奨を断ったためにその後に解雇や報復人事に遭遇した場合は、これはまた別件の「不利益な取り扱い」となって禁止事項に触れることになってしまいます。ですから、単なる退職勧奨については、ただ断ればこと済むはずなのです。
ところが、変にエスカレートして上記のようなことを「繰り返し」言われたり、取り囲んで罵声を浴びせたり、嫌がらせを受けたりするようになると、これはもう退職勧奨ではなく「退職強要」になってしまいます。
退職強要は違法行為ですからもとより従う必要はありません。しかしこうなったら個人で解決するのはムズカシイと思われますので、労働組合や弁護士に相談することをお薦めします。大事なことは決して「辞める」と言わないことです。「辞める」と言ってしまうと撤回するのは難しいと肝に銘じてください。
弁護士など第三者に助っ人を頼む時には、法的に有効な証拠を残しておくことが必要ですので、強要を受けた状況をメモしておく、メールなどを保存しておく、電話や会話を録音しておく、書面は保存しておく、抗議文を送るときは内容証明郵便で送るなどの措置をしておけば万全です。
しかし、ここまでやったら、結果的に会社には居づらくなるでしょう。そのあたりが日本的風潮といいましょうか、ムズカシイところなのです。