インターネットで副業をする人が増えてきました。スーパーアフィリエイターなどと呼ばれるかなり稼ぐ人も現れ、そうなると会社員としての本業の給料のほか複数の収入が生じますので、確定申告をしなければならなくなります。
ほとんどの会社は就業規則で副業を禁止している現状も改善していかねばなりませんが、そうはいっても経営者の古い頭はなかなか理解しがたい部分があります。会社の上層部を説得する気力・労力を考えたら、そのパワーをネットでの副業に向けたほうが賢明といえますので、現実問題として会社に副業をばれないようにすることが一番です。
会社員一筋の人は、会社の給料以外の収入はありませんから、年末調整をして税金を正しく納める作業をします。これは会社でやってくれます。
それ以外の収入がある人は、確定申告になりますが、この時点で、会社の労務担当者は何かを感じ取ります。会社員にもかかわらず、確定申告をするということはそれ以外に収入があるということですから、気になるのは仕方の無いことでしょう。「??いくら稼いでいるんだ…??」
確定申告をする人は、年末調整の書類のうち「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を出す必要がありません。保険料の控除証明書などは一通しかありませんからここで出したら、確定申告のときに困るからです。
そして、毎年3月に確定申告を自分でするのですが、この申告書の最後の欄に住民税を特別徴収にするか普通聴取にするかを選ぶところがあります。住民税の「普通徴収」は、自治体からの請求書が自宅に郵送され、自分で支払手続きを行う形式をいいます。「特別徴収」は、給料から住民税を天引きする形式をいいます。会社にわからないようにするには、これを普通徴収を選んでおきます。
会社員の場合は住民税は給与から天引きされますが、それは特別徴収になっているからです。収入が複数あるときは確定申告をすることになりますが、その申告書に特別徴収にするか普通徴収をするかを選択する欄がありますので、会社にその他の収入額を知られたくない場合は普通徴収を選択すれば、会社に請求がいかなくなります。会社に内緒で副収入で稼ぐ方は必須となるでしょう。
しかし、逆に会社の給与から住民税が全く徴収されなくなったら、かえって怪しまれるのでは?
ご心配なく。会社には住民税を天引きする義務があるので、給与にかかる住民税は今までどおり給与から天引きされます。副収入の分は、別に自宅に納付書が届きますので、それを払えばよろしい。会社の担当者にばれることはありません。つまり、会社の分と副業の分は別々に徴収されることになります。
なお、理解のある会社で副業OKの場合は、確定申告書の特別徴収を選んでおくのもいいと思います。その場合は住民税課ですべての収入を合算し、かかる住民税を計算した上、それを会社に知らせて天引きすることになります。住民税を自分で払うのは面倒だという人はこういった方法もあります。
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住民税
[136]副業禁止規定
[159]副業による収入が会社にばれないか?
この記事は「週刊節税美人」同時掲載です。