■読者からの質問
家庭教師の派遣会社と契約し、ある生徒を受け持つことになりましたが、学習する意欲がなく、しかも「祭りに行くから」との理由で当日にキャンセルされたりしたため、指導する意欲を失い、来月いっぱいで指導を辞めたいと派遣会社に伝えました。
ところが派遣会社は「半年以上は最低指導を続ける約束になっているため辞めることは認められない。」との回答。
しかし契約を結ぶ際、「契約上半年以上と書いてあるが、一月以上前に対応する」との口頭での説明を受けており、それをもとに辞めたいと伝えたところ、書面上の契約を盾に拒否されました。
この場合、派遣会社に従って半年以上は指導を続ける必要があるのでしょうか?
それとも口頭の約束も有効になるのでしょうか?
また”2週間前に退職の意志を伝えれば、それに従わなければならない”という法律があると思いますが、それを適用することはできますでしょうか?
こちらとしては、契約書にサインしてしまっている以上、最悪は半年は続けないといけないのかと考えていますが、可能であればできるだけ早く指導を辞めたいと考えています。
■たまごやの回答
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
『派遣契約の途中解約』
派遣契約で期間が「半年以上」とのことですが、上限は定められていないのでしょうか?契約期間が1年と定められているとしたら、それは契約に則り、あなたは1年の派遣契約を守る義務があるとともに、派遣会社のほうもその期間はあなたを雇用する義務があります。途中解約はできません。これが契約というものです。
期間の定めがない場合は、おっしゃるように退職の意思を伝えてから2週間経過すれば、労働義務から開放されます。期間の定めがあっても数回契約を更新している場合は、一年契約であっても期間の定めのない契約とみなし、退職の意思を伝えてから2週間経過すれば同様に労働義務から開放されます。
>民法第627条〔解約の申入れ〕
>当事者カ雇傭ノ期間ヲ定メサリシトキハ各当事者ハ何時ニテモ解約ノ
>申入ヲ為スコトヲ得
>此場合ニ於テハ雇傭ハ解約申入ノ後二週間ヲ経過シタルニ因リテ終了ス
契約において、途中解約を合議の上、決めてあるならば、期間の定めのあるなしにかかわらず途中解約が可能です。これは口頭でも有効ですが、書面の契約書がある以上、そこに記述すべきもので、契約書がありながら途中解約の記述がない場合はあなたにとってかなり不利な状況となります。口頭で途中解約の合議を得たと立証しなけなりませんが、おそらく言った言わないの水掛け論になるでしょう。それを防ぐための書面の契約書ですから。
あなたの場合、契約どおり半年は今の仕事を続ける義務があると思いますが、その義務は「派遣会社に勤務すること」が義務なので、派遣先を変えてもらえばいいと思います。もっと学習意欲のある生徒さんに派遣してもらうよう、交渉しましょう。
【参考記事】
派遣社員