■読者からの質問
夫の働いている会社に応募しましたが、夫がすでに働いていることを理由に断られました。なんとなく釈然としません。職場結婚して、夫婦で働いている方たちはいます。(入社時は夫婦でなかったと言ってます)
法律ではどうなっていますか?
■たまごやの回答
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
雇用の際に関しての法律には男女雇用機会均等法というのがあります。この均等法第5条において「雇用機会の付与、募集・採用条件、求人情報の提供、採用選考、採用決定等のすべての段階において男女異なる取扱いをしないこと」を求めています。
本件の場合も、社員の「妻」であることを採用しない理由とするならば、間接的に女性の雇用の機会を奪うこととなり均等法違反になる可能性があります。
もしこれを均等法違反でないと言うならば「妻が働いている場合にその夫を採用しない」ということにしなければなりませんが、そのような基準は社会的にみて理不尽すぎると思われますし、そのような規定をしてることは考えられません。おそらく「妻だけ」にこのような採用基準を設けているのではないかと思われます。
また均等法第7条(2007年4月1日改正分)で「事業主は、募集及び採用において労働者の性別以外の事由を要件とする場合も雇用管理上特に必要であり、合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない」としています。
夫婦であることを理由に採用しないという基準を設けているならば、まさにこれは均等法の理念に反しており合理的でないということができるでしょう。
ただし、多くの会社において、夫婦の取り扱いは微妙です。職場結婚の場合も妻のほうを配転、妊娠して産休をとれば、帰ってきたときには机はないね等といわれ、事実上の退職を迫るなど、均等法第9条において「婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止」しているにもかかわらずそれを理由に不利益を課す場合が多いのです。
法律では禁止していても、個々のケースについては職場の事情もあり、いずれ最終的には使用者の意向に従うしかないというのも現実のようです。
以上のように「法律の理念はあなたに味方します」がどうしても納得いかない場合は、各市町村に設置されている雇用相談室に相談なさってください。